書評
『百年の挽歌 原発、戦争、美しい村』(集英社)
2011年4月。東電福島第1原発の破滅的な事故から1カ月後、ひとりの老人が自殺した。102歳だった。温和な老人を追い詰めたのは何だったのか。ジャーナリストが追及する長編ノンフィクション。
その人、大久保文雄は福島県飯舘村で生まれ育った。平均標高約500メートルの村は冷涼で、たびたび冷害と凶作と飢饉(ききん)に襲われた。機械化どころか馬や牛を使うのも難しく、彼は文字通り自分の手と足で田畑を開墾した。弟は硫黄島で戦死した。苦労ずくめの人生だったが、老いてようやく穏やかな日々を手に入れた。
ところが原発事故で暗転する。全村避難を命じられ、大久保文雄も村を離れなければならなくなる。しかし、彼は避難よりも死を選んだ。苦しんだのは彼だけではない。家族の悲しみは深い。
国が原発を進め、電力会社がずさんな運転をした。国と電力会社が老人を死に追いやった。だが、大久保文雄は特殊な例ではない。あの原発のために多くの人が傷つき、苦しみ、いまも続いている。事故の後始末どころか、廃炉作業さえ遅々として進まない。それなのに自維政権は原発を推進する。バカである。
その人、大久保文雄は福島県飯舘村で生まれ育った。平均標高約500メートルの村は冷涼で、たびたび冷害と凶作と飢饉(ききん)に襲われた。機械化どころか馬や牛を使うのも難しく、彼は文字通り自分の手と足で田畑を開墾した。弟は硫黄島で戦死した。苦労ずくめの人生だったが、老いてようやく穏やかな日々を手に入れた。
ところが原発事故で暗転する。全村避難を命じられ、大久保文雄も村を離れなければならなくなる。しかし、彼は避難よりも死を選んだ。苦しんだのは彼だけではない。家族の悲しみは深い。
国が原発を進め、電力会社がずさんな運転をした。国と電力会社が老人を死に追いやった。だが、大久保文雄は特殊な例ではない。あの原発のために多くの人が傷つき、苦しみ、いまも続いている。事故の後始末どころか、廃炉作業さえ遅々として進まない。それなのに自維政権は原発を推進する。バカである。
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