文筆家。1980年代初頭にニューヨークに滞在、文章を書きはじめる。小説、エッセイ、批評など、ジャンルを横断して執筆。書評の執筆も多く、書評集に『読めばだれかに語りたくなる』がある。小説作品には『図鑑少年』『随時見学可』『鼠京トーキョー』『間取りと妄想』などが、写真関係の著書には『彼らが写真を手にした切…もっと読む
- 『光の子ども 1』(リトル・モア)大竹 昭子
[isbn:4898154328]放射能発見の歓喜と現代の恐怖科学の研究にはのちにとんでもない結果を招くものが少なくないが、その最たるものは放射能だろう。…
書評 - 『地平線』(水声社)大竹 昭子
何者でもなかった頃の懐かしさこんなことを言うとミステリー好きに怒られそうだが、ミステリーは事件が解決にむかうと退屈になる。謎こそが魅力なの…
書評 - 『元気で大きいアメリカの赤ちゃん』(文藝春秋)大竹 昭子
現実をヒントに現実を超えるアメリカの女性作家ジュディ・バドニッツは奇妙な作品を書く人だ。短編集では2冊目の邦訳となる本書も、現実ではありえ…
書評 - 『模範郷』(集英社)大竹 昭子
恐れ超え、記憶の場に踏み込むリービ英雄の最初の小説「星条旗の聞こえない部屋」が発表されたのは一九八七年。英語で生まれ育ったアメリカ人が日本…
書評 - 『センチメンタルな旅』(河出書房新社)大竹 昭子
「嘘」なく心の震え留めたいつもはアジアの古美術展が多いパリのギメ東洋美術館で、荒木経惟の写真展が9月5日まで開催中だ(ALL REVIEWS事務局注:…
書評 - 『魔法の夜』(白水社)大竹 昭子
昼間の自分を解き放つ月の光ミルハウザーは月光の作家だ。陽光ではなく。夜中に屋根を散歩する『三つの小さな王国』のワンシーンは好例だが、人々の…
書評 - 『自画像の思想史』(五柳書院)大竹 昭子
〈自分〉笑い飛ばす俳画、見直す「自画像」というと、絵の具べったりの額入り画が思い浮かぶだろう。展覧会の冒頭に掛けられていたりする。でも、自…
書評 - 『70歳の日記』(みすず書房)大竹 昭子
「自分らしく」と願う切実な声夜中に目が覚め、虫たちの声が聞こえる中、本書を開いた。こんなふうに真夜中に読書するのは久しぶり。追うべき筋があ…
書評 - 『浮遊霊ブラジル』(文藝春秋)大竹 昭子
不器用な主人公に思わず笑みが津村記久子の小説には構えがない。短編七編のうち二編にうどんが出てくるが、つるつると喉越しよく体に入ってくる。表…
書評 - 『死んでいない者』(文藝春秋)大竹 昭子
通夜の場の気配を束ねる文学第154回芥川賞受賞作。まずタイトルで首をひねった。頭に「もう」をつけたらここに居ない死者に、「まだ」ならばこの世…
書評 - 『おばちゃんたちのいるところ-Where The Wild Ladies Are』(中央公論新社)大竹 昭子
化けられるほどしつこく生きよ“死んだら化けてやる”という捨てぜりふをとんと聞かなくなったが、「化けて出ることができるような情熱の持ち主が、年…
書評 - 『ヤズディの祈り』(赤々舎)大竹 昭子
未知の対象、想像する力鍛える「ヤズディ」が何かを大方の人は知らないと思う。イラク北西部にいる少数民族で、独自の信仰と伝統を継承している。私…
書評 - 『エドゥアール・マネ 西洋絵画史の革命』(KADOKAWA)大竹 昭子
複製技術がもたらす過激さマネとモネは混同しやすい。マネは音楽の教科書で「笛を吹く少年」が知られる画家で、モネは「睡蓮(すいれん)」で有名な…
書評 - 『岩場の上から』(新潮社)大竹 昭子
ヒトの愚かさ見つめ「未来」描く二〇四五年の日本が描かれるが、「近未来小説」というのとは、ちょっとちがう。使用済み核燃料の処理問題、「積極的…
書評