書評

『読めそうで読めない間違いやすい漢字』(二見書房)

  • 2018/01/01
読めそうで読めない間違いやすい漢字 / 出口 宗和
読めそうで読めない間違いやすい漢字
  • 著者:出口 宗和
  • 出版社:二見書房
  • 装丁:文庫(240ページ)
  • 発売日:2016-05-02
  • ISBN-10:4576160729
  • ISBN-13:978-4576160726
内容紹介:
読み間違うと恥ずかしい誤読の定番から、読めれば自慢できる漢検1級クラスの超難問まで、1868語を集めました。すべての語句に解説がついて、意味もよくわかる。これ1冊で、あなたも漢字博士になれます!
政治家の漢字の誤読をバカにしながらも、内心「実は自分も漢字が苦手」「読み間違えると、こんなにもからかわれてしまうのか!」と慌てた人が多かったに違いない。昨年2月に刊行した頃からすでに好調だったが、秋ごろから各メディアが誤読の話題に絡めて本書を紹介しはじめて爆発的な売れ行きとなり、いまや59万部に。幅広い層に読まれての大ヒットだ(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2009年)。

数多く関連本があるなかで、本書が飛びぬけて売れている理由は何か。担当編集者の多田勝利さんによると「多くの人が間違える、誤読の定番をベースとしたこと、左ページに問題、裏の右ページに回答を載せてクイズ形式にしたことで、ご家族や友人同士で一緒に読んで楽しんでもらえているようです」。

加えて値段、使い勝手のよさ、情報量の多さがある。たった500円というのは学生にはありがたいし、軽装版なので軽くて持ち歩きやすく、大きな文字は高齢者にもうれしいだろう。紹介されているのは1800語以上。読み方とその意味、用例だけでなく、ありがちな誤読の例も紹介していて、単なる漢字ドリルとは違う楽しさがある。同じ読みでも意味の異なる熟語や、日常ではなかなか使わない難読問題、動植物、地理歴史関連の漢字も収録、雑学好きも満足できるのでは。

もともとは5年前に文庫版で刊行され、そちらも刷を重ねていた。昨年2月に出たこの新装版は、好評を博した書籍を改装改訂して500円、B6判のソフトカバーで再刊行する「ワンコインブック」シリーズの一冊。この値段でしっかり学べて、(おそらく)恥をかかなくてすむのだから、これはかなりオトクといえるだろう。
読めそうで読めない間違いやすい漢字 / 出口 宗和
読めそうで読めない間違いやすい漢字
  • 著者:出口 宗和
  • 出版社:二見書房
  • 装丁:文庫(240ページ)
  • 発売日:2016-05-02
  • ISBN-10:4576160729
  • ISBN-13:978-4576160726
内容紹介:
読み間違うと恥ずかしい誤読の定番から、読めれば自慢できる漢検1級クラスの超難問まで、1868語を集めました。すべての語句に解説がついて、意味もよくわかる。これ1冊で、あなたも漢字博士になれます!

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初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2009年2月1日

朝日新聞デジタルは朝日新聞のニュースサイトです。政治、経済、社会、国際、スポーツ、カルチャー、サイエンスなどの速報ニュースに加え、教育、医療、環境、ファッション、車などの話題や写真も。2012年にアサヒ・コムからブランド名を変更しました。

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