書評
『ライアーズ・ポーカー』(早川書房)
『マネー・ボール』『世紀の空売り』で知られる著者の処女作。掛け値なしのノンフィクションの傑作だ。舞台は、1980年台当時、最もアグレッシブな証券会社として知られたソロモン・ブラザース。モーゲージ債という錬金術を生み出し、狂乱のマネーゲームにひた走る。彼らにとって顧客は「だまされ役」だった。
情報の非対称性を武器にひたすら目先のぼろ儲けを追求する。社内競争も凄まじく、金に憑りつかれた人間の本性を戯画的に描き出す。ソロモンの栄光と凋落のストーリーは20年後のサブプライムローンに端を発するリーマンショックに受け継がれた。
本書の描く時代と比べて今日の規制は厳しくなっているが、金融資本主義のど真ん中に棲む人々の本性は変わらない。
情報の非対称性を武器にひたすら目先のぼろ儲けを追求する。社内競争も凄まじく、金に憑りつかれた人間の本性を戯画的に描き出す。ソロモンの栄光と凋落のストーリーは20年後のサブプライムローンに端を発するリーマンショックに受け継がれた。
本書の描く時代と比べて今日の規制は厳しくなっているが、金融資本主義のど真ん中に棲む人々の本性は変わらない。
ALL REVIEWSをフォローする







































