書評

『新版 古事記 現代語訳付き』(角川学芸出版)

  • 2017/12/25
新版 古事記 現代語訳付き /
新版 古事記 現代語訳付き
  • 翻訳:中村 啓信
  • 出版社:角川学芸出版
  • 装丁:文庫(607ページ)
  • 発売日:2009-09-25
  • ISBN-10:4044001049
  • ISBN-13:978-4044001049
内容紹介:
8世紀の初め、古代国家形成途上にあった大和朝廷が編纂した、天地創成から推古天皇に至るまでの、神々につながる天皇家の系譜と王権の由来書。人間的で叙情豊かな多くの歌謡と伝承は、口誦時代… もっと読む
8世紀の初め、古代国家形成途上にあった大和朝廷が編纂した、天地創成から推古天皇に至るまでの、神々につながる天皇家の系譜と王権の由来書。人間的で叙情豊かな多くの歌謡と伝承は、口誦時代の古代の風俗を色濃く伝えている。より原本に近づけるために厳密な史料研究の成果を盛り込み、歴史・民俗・文学などの諸方面からの要求に応える、文庫として望みうる最高の内容をほこる。便利な歌謡各句索引・主要語句索引付き。

【名著 味読・再読】日本の原点は『古事記』

「島国根性」や「農耕民族」など、よくある日本文化論は信用しないようにしている。「日本的経営」はその最たるものだ。長期雇用や年功序列にしても文化というには底が浅い。戦後の高度経済成長期に適合したシステムとして定着しただけだ。明治時代の日本は金融資本主義的で労働流動性の高い社会だった。今と逆である。「ギリシア神話」が欧州の精神文化を伝える古典だとすれば、日本には『古事記』がある。歴史書というよりも神話だが、鮮烈に描かれる物語を通して、日本の原点を肌で感じる。国の正史である『日本書紀』よりもテンポがよく、躍動感がある。今日の浅薄な日本文化論ではなく、まずは虚心坦懐に本書を読むことを勧める。中村啓信氏の現代語訳が付いた版が読みやすい。
新版 古事記 現代語訳付き /
新版 古事記 現代語訳付き
  • 翻訳:中村 啓信
  • 出版社:角川学芸出版
  • 装丁:文庫(607ページ)
  • 発売日:2009-09-25
  • ISBN-10:4044001049
  • ISBN-13:978-4044001049
内容紹介:
8世紀の初め、古代国家形成途上にあった大和朝廷が編纂した、天地創成から推古天皇に至るまでの、神々につながる天皇家の系譜と王権の由来書。人間的で叙情豊かな多くの歌謡と伝承は、口誦時代… もっと読む
8世紀の初め、古代国家形成途上にあった大和朝廷が編纂した、天地創成から推古天皇に至るまでの、神々につながる天皇家の系譜と王権の由来書。人間的で叙情豊かな多くの歌謡と伝承は、口誦時代の古代の風俗を色濃く伝えている。より原本に近づけるために厳密な史料研究の成果を盛り込み、歴史・民俗・文学などの諸方面からの要求に応える、文庫として望みうる最高の内容をほこる。便利な歌謡各句索引・主要語句索引付き。

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初出メディア

週刊ダイヤモンド

週刊ダイヤモンド 2017年4月8日

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