自著解説

『三十過ぎたら楽しくなった!』(講談社)

  • 2018/05/14
三十過ぎたら楽しくなった!  / 岸本 葉子
三十過ぎたら楽しくなった!
  • 著者:岸本 葉子
  • 出版社:講談社
  • 装丁:文庫(285ページ)
  • 発売日:2000-10-01
  • ISBN:406264987X
内容紹介:
二十代の頃、人生いかに生きるべきかと悶々としていた。他人と違う自分でありたかった。そして三十代、肩の力がすっと抜けて世の中の流行事にムクムク好奇心がわいてきて。とにかく、結婚以外なんでもやりました。占い、エステ、料理教室にスポーツクラブ、マンション購入…。葉子さん怒濤の三十代メモリー。

三十過ぎたら楽しくなった

三十代最後の年は、出版点数がいつになく多かった。別に執筆ペースが上がったわけではなく、前々から書きためていた原稿をまとめる時期が、たまたま重なったためだ(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2000年10月)。

本にするにあたっては、何らかのメッセージ性のあるものにしたいと、まとめにプラス、それらを書いたとき心にあったことを、書き下ろし原稿として、つけ加えるのが常である。

このところの私のテーマの中心には、やはり、三十代から四十代への移行ということがあったので、「三十代を振り返って」とか「四十代を迎えるにあたって」といった原稿を、半年間集中的に書いたため、三十九歳にして気分は早くも四十歳だ。アンケートや、店で会員力ードを作るときなど、年齢欄に間違って「四十」と記入したりした。このぶんだと四十の大台へは、ゆうゆうとソフトランディングできそうだ。

顧みれば、二十代から三十代になるときは、スムーズだったとはとても言い難い。

「三十がどうした、私は私だ」

と自分に言い聞かせていたが、内心は違った。結婚とか仕事とかに、三十になるまではまあ、何らかの答が出ているだろうと思っていたのに、まるで未解決のまま。

「このままではいかん」

と貯金をはたいてまとめ払いで保険に入ったり、その一方、

「誰かいい人いないでしょうか」

と知人に相談を持ちかけたりと、かなりのダッチロール現象を起こしていた。

けれども、いざ三十代に入ってみれば、そんなにはっきり二十代と一線を画するものではなく、まわりの人も、

「いつまで仕事を続けられるんだろう」

「このままひとりでいいのか」など、

相変わらず同じようなことで悩んでいた。ある齢になったからといって、人生の諸問題に、突然ケリがつくものでもないらしい。

そう思ったら、すごく気が楽になった。

すると、自分の視界を狭くしていたものが急にとり払われたように、まわりのいろいろなことに対し好奇心がわいてきた。通販、足もみエステ、占い、インターネット……。

それらに遅ればせながらトライした報告が、拙著『三十過ぎたら楽しくなった!』(講談社文庫)である。『三十女のおいしい暮らし』(講談社)を改題の上、加筆した。

三十代のときどきの思いを綴った、書き下ろし原稿もおさめ、それでなんとか三十代にケリがつけられそうな感じである。

【この自著解説が収録されている書籍】
本棚からボタ餅  / 岸本 葉子
本棚からボタ餅
  • 著者:岸本 葉子
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:文庫(253ページ)
  • 発売日:2004-01-01
  • ISBN:4122043220
内容紹介:
本の作者が意図していない所に「へーえ」、テーマにピンとこなくたって「なるほど」と感じたことはありませんか?思いつきで読んでみても得るモノはあるはず。恋に悩む時、仕事に行き詰まった時…偶々、解決のヒントを発見できたら大きなご褒美です。寝転ろんで頁をめくりながら「おまけがついてこないかな」と自然体?で構えてみませんか。

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

三十過ぎたら楽しくなった!  / 岸本 葉子
三十過ぎたら楽しくなった!
  • 著者:岸本 葉子
  • 出版社:講談社
  • 装丁:文庫(285ページ)
  • 発売日:2000-10-01
  • ISBN:406264987X
内容紹介:
二十代の頃、人生いかに生きるべきかと悶々としていた。他人と違う自分でありたかった。そして三十代、肩の力がすっと抜けて世の中の流行事にムクムク好奇心がわいてきて。とにかく、結婚以外なんでもやりました。占い、エステ、料理教室にスポーツクラブ、マンション購入…。葉子さん怒濤の三十代メモリー。

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