書評

『アメリカ革命とジョン・ロック(慶應義塾大学出版会)』(慶應義塾大学出版会)

  • 2017/11/24
アメリカ革命とジョン・ロック / 大森 雄太郎
アメリカ革命とジョン・ロック
  • 著者:大森 雄太郎
  • 出版社:慶應義塾大学出版会
  • 装丁:単行本(396ページ)
  • ISBN:4766411609

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

アメリカを建国に導いた思想は何だったか。かつては自由主義者ロックの権利論が注目されたが、ここ30年は正反対に共和主義の義務論こそが建国に寄与したという見方が席巻した。

この問いが重要なのは、アメリカにはイギリスから独立した当時に唱えられた主張が、いまを生きる思想として息づいているからだ。個人の自由や商業利益という権利のみが追求される一方、商業を腐敗の原因とみなし、公徳心を保って国家や共同体の防衛義務を果たそうとする面もある。

本書は、そのような二面性こそが建国の精神だったと見る。1764年から76年に至るパンフレットや新聞など膨大な活字メディアに分け入り、そこにロックの『統治二論』が「同意による統治」や移住権、抵抗権の論として引用されていることを見いだし、「古き良き国制」を新天地で再現するのがかの革命だったと論証している。学術書ながら、思想が世界を変える様を生き生きと描く労作だ。

完訳 統治二論 (岩波文庫) / ジョン・ロック
完訳 統治二論 (岩波文庫)
  • 著者:ジョン・ロック
  • 出版社:岩波書店
  • 装丁:文庫(640ページ)
  • 発売日:2010-11-17
  • ISBN:4003400771

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

アメリカ革命とジョン・ロック / 大森 雄太郎
アメリカ革命とジョン・ロック
  • 著者:大森 雄太郎
  • 出版社:慶應義塾大学出版会
  • 装丁:単行本(396ページ)
  • ISBN:4766411609

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2005年7月17日

朝日新聞デジタルは朝日新聞のニュースサイトです。政治、経済、社会、国際、スポーツ、カルチャー、サイエンスなどの速報ニュースに加え、教育、医療、環境、ファッション、車などの話題や写真も。2012年にアサヒ・コムからブランド名を変更しました。

関連書評/解説/選評
松原隆一郎の書評/解説/選評
ページトップへ