西洋中世の男と女―聖性の呪縛の下で
- 著者:阿部 謹也
- 出版社:筑摩書房
- 装丁:文庫(307ページ)
- ISBN-10:4480091025
- ISBN-13:978-4480091024
- 内容紹介:
- 中世のキリスト教会は男女関係のあるべき姿を定め、夫婦の性行為にまで厳しく介入しようとした。厳格でこっけいに見える性的禁則、二転三転する娼婦の位置づけ、聖職者自身の性の問題。そんな… もっと読む中世のキリスト教会は男女関係のあるべき姿を定め、夫婦の性行為にまで厳しく介入しようとした。厳格でこっけいに見える性的禁則、二転三転する娼婦の位置づけ、聖職者自身の性の問題。そんな矛盾や悲哀をかかえた世相を克明に描くことで、当時の人々の処世の様が浮かび上がる。著者は、この中世社会における性愛の扱い方が、現在のヨーロッパ文化にも通じているとし、「西洋個人主義は、中世の人々が男と女の問題を自覚する中で生まれた」と論じる。ホーソーンの『緋文字』等の物語と、史実をつき合わせ、民衆が教会から「個人」を取り戻した過程を丁寧にひもとく。
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