前書き

『行く先はいつも名著が教えてくれる』(日本実業出版社)

  • 2019/02/19
行く先はいつも名著が教えてくれる / 秋満 吉彦
行く先はいつも名著が教えてくれる
  • 著者:秋満 吉彦
  • 出版社:日本実業出版社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(192ページ)
  • 発売日:2019-02-07
  • ISBN:4534056699
内容紹介:
◆「100分de名著プロデューサーによる名著紹介=仕事論・人生論NHKEテレの人気教養番組「100分de名著」のプロデューサーが、自身、感銘を受け、折にふれ愛読してきた名著を通じて、組織人としての苦悩とどう折り合いをつけ、いかに生きるべきかを真正面から問い直した読書・人生論。単なる教養を超え… もっと読む
◆「100分de名著プロデューサーによる名著紹介=仕事論・人生論
NHKEテレの人気教養番組「100分de名著」のプロデューサーが、自身、感銘を受け、折にふれ愛読してきた名著を通じて、
組織人としての苦悩とどう折り合いをつけ、いかに生きるべきかを真正面から問い直した読書・人生論。単なる教養を超えて、
また小手先の処世術でもなく、生きること、働くこと、人間関係、幸福とは何か、老い・死ぬことについて、
自身の番組制作などの体験を交えつつ名著のエッセンス・読みどころを紹介しながら解を求めて言葉をつむいでいく。
悩める中間管理職、プロジェクトリーダーをはじめ、あらゆる組織人に共感と気づきをもたらす1冊。

◆各章の内容と名著
第1章 「夢」や「希望」はかなえられる?
・思いもよらない形でかなう「夢」や「希望」――フランクル『夜と霧』
・自分の中の未知なる可能性に出会う――河合隼雄『ユング心理学と仏教』

第2章 困難や挫折と向き合う
・「余白」として働いてみる――岡倉天心『茶の本』
・待つことの創造性――神谷美恵子『生きがいについて』

第3章 「働くこと」の意味とは?
・相手の本質を引き出す働き方――レヴィ=ストロース『月の裏側』
・働くことは、自らをいたわり、ねぎらうこと――宮沢賢治「なめとこ山の熊」

第4章 人間関係に悩んだときに
・対立する人の心を動かす――ガンディー『獄中からの手紙』
・どんなよい方向も偏れば具合が悪くなる――『維摩経』

第5章 「幸福」になるには?
・「成功」と「幸福」は異なる――三木清『人生論ノート』
・「星の時間」を準備するもの――ミヒャエル・エンデ『モモ』

第6章 「老い」と「死」を見つめる
・「老い」と上手につきあう――『荘子』
・死を「物語」として受け容れる――『歎異抄』
読書好きにとってはもはや「欠かせない」存在となったNHK「100de名著」。プロデューサー・秋満吉彦氏による仕事論・人生論となる『行く先はいつも名著が教えてくれる』の刊行を記念して、ALL REVIEWSでは「まえがき」を特別公開致します。

はじめに

あなたは、どんな思いでこの本を手に取ってくださっているのでしょう? タイトルにある「名著」という言葉が気になって、ふと手にしてくださっているのかもしれません。あるいは、もしかしたら人生につまづいて、何かにすがるようにこの本に手を伸ばしてくださったのかもしれません。
そんなあなたへ、心をこめて手紙を書くようにこの本を書いてみたいと、今、思っています。どうしてかというと、そのほうが、まっすぐに、この言葉があなたの心に届くと思うから。あなたも、自分自身に向けての手紙と思って受け止めてくださったらうれしいです。

私は、今でこそテレビ番組のプロデューサーという肩書で仕事をしていますが、仕事においては新人の頃からどちらかというと「落ちこぼれ」で、ずいぶん「名著」というものに助けてもらい、ここまで生きてきました。この本で紹介する「名著」に出会っていなければ、おそらく私は今のように生きていないでしょう。何しろ、私の人生は「挫折」と「失敗」の連続でしたから。今でも、その場面、場面をはっきりと思い起こすことができます。プロデューサーというと、何となく「花形の職業」と思われるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。挫折あり、予期せぬ人事異動あり、上司・部下との不和ありと、世の多くのサラリーマンと何ら変わることのない普通の存在です。

ですから、「自分とは別世界の人が書いた本だから、自分には関係ないし、参考にもならない」と思ってほしくないのです。この本は、老若男女あらゆる人たちに読んでほしいと思ってはいますが、とりわけ、私と同じような悩み、苦しみを抱いて日々人生と格闘しているサラリーマンのみなさんにこそ、読んでほしいと切に願っています。

くたびれて、ふらふらになって、もはや立ち上がることもできない。そんなときに再び立ち上がるための杖となってくれたのが「名著」でした。暗い迷い道に入り込みそうになったときには、そっとどこからか手を差し延べてくれて、光のある方向へ導いてくれたのも「名著」です。『行く先はいつも名著が教えてくれる』という本書のタイトルには、そんな私の思いが込められています。

こんな私が今、何の因果か自分にとっても大切な「名著」を紹介し、解説する「100分de名著」という番組を企画・制作しています。本当に不思議なことです。セレクトした「名著」の中には、私の人生を支えてくれた本ももちろん入っています。一人でも多くの人に、その本を知ってもらいたいという思いからです。とてもやりがいのある仕事です。

ただ、ひとつだけ大きな不満があります。それは、番組の中では、それがたとえどんなに心揺さぶられる体験でも、自分自身の個人的な体験を直接は語ることができないこと。当たり前なんですけどね。番組は、あくまでも客観性と普遍性を踏まえた上で、公的なものとして、きちんとした形にして視聴者のみなさんにお届けしないといけないですから。

とはいえ、決して番組になることのない、私の「名著体験」を、同じような悩みや困難や挫折に直面しているあなたにも、何とか届けたい。ふつふつとそんな思いが今、湧き出しています。私が筆を執ったのはそんな理由からです。

どこでも一寸切れば私の生血がほとばしり出すような文字、そんな文字で書きたい、私の本は。

〔中略〕体験からにじみ出た思想、生活と密着した思想、しかもその思想を結晶の形で取り出すこと。

これは、精神科医・神谷美恵子さんが『生きがいについて』という著作を書くにあたって、日記にしたためた一文。彼女の万分の一にも及びませんが、私もそんな文字でこの本を書いてみたい。

そして、その文字があなたの心の片隅にひっそりと根付き、やがて人生を大きく変えていくような芽吹きを迎えることを願ってやみません。

秋満吉彦

※秋満吉彦(NHK「100分de名著」プロデューサー)×鹿島茂(明治大学教授・仏文学者)
スペシャル対談「本で人生は変わるのだ!」
2019年3月2日(土)17:00-18:30@神保町
詳細はこちら(https://allreviews.shop/?category_id=5c6960693b63651835103ced)。
行く先はいつも名著が教えてくれる / 秋満 吉彦
行く先はいつも名著が教えてくれる
  • 著者:秋満 吉彦
  • 出版社:日本実業出版社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(192ページ)
  • 発売日:2019-02-07
  • ISBN:4534056699
内容紹介:
◆「100分de名著プロデューサーによる名著紹介=仕事論・人生論NHKEテレの人気教養番組「100分de名著」のプロデューサーが、自身、感銘を受け、折にふれ愛読してきた名著を通じて、組織人としての苦悩とどう折り合いをつけ、いかに生きるべきかを真正面から問い直した読書・人生論。単なる教養を超え… もっと読む
◆「100分de名著プロデューサーによる名著紹介=仕事論・人生論
NHKEテレの人気教養番組「100分de名著」のプロデューサーが、自身、感銘を受け、折にふれ愛読してきた名著を通じて、
組織人としての苦悩とどう折り合いをつけ、いかに生きるべきかを真正面から問い直した読書・人生論。単なる教養を超えて、
また小手先の処世術でもなく、生きること、働くこと、人間関係、幸福とは何か、老い・死ぬことについて、
自身の番組制作などの体験を交えつつ名著のエッセンス・読みどころを紹介しながら解を求めて言葉をつむいでいく。
悩める中間管理職、プロジェクトリーダーをはじめ、あらゆる組織人に共感と気づきをもたらす1冊。

◆各章の内容と名著
第1章 「夢」や「希望」はかなえられる?
・思いもよらない形でかなう「夢」や「希望」――フランクル『夜と霧』
・自分の中の未知なる可能性に出会う――河合隼雄『ユング心理学と仏教』

第2章 困難や挫折と向き合う
・「余白」として働いてみる――岡倉天心『茶の本』
・待つことの創造性――神谷美恵子『生きがいについて』

第3章 「働くこと」の意味とは?
・相手の本質を引き出す働き方――レヴィ=ストロース『月の裏側』
・働くことは、自らをいたわり、ねぎらうこと――宮沢賢治「なめとこ山の熊」

第4章 人間関係に悩んだときに
・対立する人の心を動かす――ガンディー『獄中からの手紙』
・どんなよい方向も偏れば具合が悪くなる――『維摩経』

第5章 「幸福」になるには?
・「成功」と「幸福」は異なる――三木清『人生論ノート』
・「星の時間」を準備するもの――ミヒャエル・エンデ『モモ』

第6章 「老い」と「死」を見つめる
・「老い」と上手につきあう――『荘子』
・死を「物語」として受け容れる――『歎異抄』

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