書評

『江戸文化いろはにほへと――粋と芸と食と俗を知る愉しみ』(亜紀書房)

  • 2019/12/10
江戸文化いろはにほへと――粋と芸と食と俗を知る愉しみ / 駒形どぜう 六代目  越後屋助七
江戸文化いろはにほへと――粋と芸と食と俗を知る愉しみ
  • 著者:駒形どぜう 六代目 越後屋助七
  • 出版社:亜紀書房
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(224ページ)
  • 発売日:2019-07-25
  • ISBN-10:4750516023
  • ISBN-13:978-4750516028
内容紹介:
これで あなたも 江戸通に!!江戸の香りを今に伝える浅草の老舗どじょう屋が30年余にわたって開催してきた講演サロン「江戸文化道場」。200回を超えるその中から選りすぐりの江戸噺をまとめた入門書!・永六輔(作家)・坂東三津之助(歌舞伎役者)・坂野比呂志(香具師)・悠玄亭玉介(幇間)… もっと読む
これで あなたも 江戸通に!!
江戸の香りを今に伝える浅草の老舗どじょう屋が30年余にわたって開催してきた講演サロン「江戸文化道場」。200回を超えるその中から選りすぐりの江戸噺をまとめた入門書!

・永六輔(作家)
・坂東三津之助(歌舞伎役者)
・坂野比呂志(香具師)
・悠玄亭玉介(幇間)
・坂本五郎(刺青師)
・関岡扇令(木版画摺師)
・入船亭扇橋(噺家)
・米吉(呼出し)
・橘右近(橘流寄席文字家元)
・永山久夫(食文化史研究家)
・小山観翁(古典芸能評論家)など
各界の第一人者に訊いた江戸文化のあれこれを一冊に!
江戸っ子による江戸好きのための教養書。

【目次】
第一章教養編――江戸の暮らしと知恵を知る
第二章実践編――粋なおとなの愉しみ
第三章江戸・東京お買い物帖――名所に名店あり

辛く苦しい時代に花開いた庶民文化

東京・浅草に「駒形どぜう」という名店がある。創業は11代将軍・徳川家斉の1801年というから200年以上も暖簾を守ってきているわけだ。ぼくが通う東大・本郷キャンパス(もと加賀藩の上屋敷)周辺で30年以上商売をしている飲食店はそう多くない。守成こそは難しい。

この「駒形どぜう」店主、六代目越後屋助七さんは昭和の終わりから年に6回、同店の地下1階で「江戸文化道場」を催してきた。江戸文化を伝える芸人や職人や研究者を講師に選び、芸能ならば実演を、工芸ならば実物を披露して回を重ねた。200回を迎えたのを記念し、とくに印象深かった話を厳選してまとめたのが本書である。

今ブームになっている葛飾北斎は、若き日に七色唐辛子の売り子をしていたという。江戸の物売りといえば、竿竹屋や金魚屋が有名(ぼくも何度も売り声を聞いた)だが、自分の背丈より大きな張り子の唐辛子を斜めに背負い、赤い衣装を着た唐辛子売りがいたそうだ。あまりの奇抜さに実在を疑いたくなるが、「江戸文化道場」第1回の講師が大道芸人の坂野比呂志という方で、この方はみごとに「やげん堀唐辛子売り」の口上を再現する。坂野さんの芸により、江戸が生き生きと甦る。

世知辛い現代を嫌って江戸を妙に称揚する、という向きがないではない。それは明らかに正しくない。貧富の差、不衛生、医学の未熟、過干渉な政治。江戸の暮らしは今よりも確実に辛く苦しかった。けれども、江戸っ子は庶民文化を生み出しながら力強く生きていた。それも間違いのない事実である。

私たちの先輩はおっちょこちょいだがエネルギッシュだった。そして何より、粋を重んじた。本書を開いて、そんな彼らに会いに行くのも一興だろう。
江戸文化いろはにほへと――粋と芸と食と俗を知る愉しみ / 駒形どぜう 六代目  越後屋助七
江戸文化いろはにほへと――粋と芸と食と俗を知る愉しみ
  • 著者:駒形どぜう 六代目 越後屋助七
  • 出版社:亜紀書房
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(224ページ)
  • 発売日:2019-07-25
  • ISBN-10:4750516023
  • ISBN-13:978-4750516028
内容紹介:
これで あなたも 江戸通に!!江戸の香りを今に伝える浅草の老舗どじょう屋が30年余にわたって開催してきた講演サロン「江戸文化道場」。200回を超えるその中から選りすぐりの江戸噺をまとめた入門書!・永六輔(作家)・坂東三津之助(歌舞伎役者)・坂野比呂志(香具師)・悠玄亭玉介(幇間)… もっと読む
これで あなたも 江戸通に!!
江戸の香りを今に伝える浅草の老舗どじょう屋が30年余にわたって開催してきた講演サロン「江戸文化道場」。200回を超えるその中から選りすぐりの江戸噺をまとめた入門書!

・永六輔(作家)
・坂東三津之助(歌舞伎役者)
・坂野比呂志(香具師)
・悠玄亭玉介(幇間)
・坂本五郎(刺青師)
・関岡扇令(木版画摺師)
・入船亭扇橋(噺家)
・米吉(呼出し)
・橘右近(橘流寄席文字家元)
・永山久夫(食文化史研究家)
・小山観翁(古典芸能評論家)など
各界の第一人者に訊いた江戸文化のあれこれを一冊に!
江戸っ子による江戸好きのための教養書。

【目次】
第一章教養編――江戸の暮らしと知恵を知る
第二章実践編――粋なおとなの愉しみ
第三章江戸・東京お買い物帖――名所に名店あり

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サンデー毎日

サンデー毎日 2019年11月3日号

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