書評

『死ぬまでに知っておきたい日本美術』(集英社)

  • 2024/02/12
死ぬまでに知っておきたい日本美術 / 山口 桂
死ぬまでに知っておきたい日本美術
  • 著者:山口 桂
  • 出版社:集英社
  • 装丁:新書(256ページ)
  • 発売日:2022-11-17
  • ISBN-10:4087212424
  • ISBN-13:978-4087212426
内容紹介:
目利きが伝える、大人のための日本美術入門!【推薦】こんなに自由で幅広で、しかも独自目線の漲(みなぎ)っている日本美術ガイドに触れたことがない!──片山杜秀氏(政治学者、音楽評論家)… もっと読む
目利きが伝える、大人のための日本美術入門!


【推薦】
こんなに自由で幅広で、しかも独自目線の漲(みなぎ)っている日本美術ガイドに触れたことがない!
──片山杜秀氏(政治学者、音楽評論家)


【内容】
「西洋美術と比べて、日本美術には馴染みがない」。
そう感じている日本人は少なくないだろう。
しかし、絵画、掛軸、彫刻、陶芸、漆芸など日本美術の深遠な世界を知らずして一生を終えるのは実にもったいない。
本書は世界的オークション会社クリスティーズの日本支社長である著者が、豊富な体験エピソードを交え、豪華絢爛な屏風から知る人ぞ知る現代美術まで、日本美術の真髄を紹介する。
知識をたっぷり吸収したら、本書を携え、美術館・博物館めぐりに出かけてみよう。
美意識が磨かれる、大人のための日本美術入門。


【目次】
はじめに
第一章 日本美術とは何か
第二章 日本美術の妙なる仕掛け
第三章 私が選ぶ一〇人のアーティスト
第四章 日本美術の死角 過小評価の作品たち
第五章 死ぬまでに見ておきたい日本美術一〇〇選
おわりに


【おもな内容】
◎誰が・どこでつくったかという視点
◎舶来文化と「日本の美」の関わり
◎日本人に愛されることで日本美術品となった異国の工芸品
◎西洋の審美眼により「発見」された日本美術
◎「道具」が和の美を醸成させた
◎骨董品と古美術品は違うのか?
◎日本美術「再発見」のキーパーソン1 近代化・国際化を成し遂げた岡倉天心
◎日本美術「再発見」のキーパーソン2 日常の生活道具に美を見出した柳宗悦
◎「割れた茶碗」なのに、なぜ高いのか?
◎日本美術は世界に通用する本物の教養
◎現代に生きる新工芸系アーティストたち
◎「怖さ」を帯びた大正時代の美人画
◎百五十メートルの移動のために一万キロを旅した《洛中洛外図》


【著者プロフィール】
山口 桂(やまぐち かつら)
一九六三年東京都生まれ。
クリスティーズジャパン代表取締役社長。
国際浮世絵学会常任理事、公益財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団理事。
九二年クリスティーズに入社し、日本・東洋美術のスペシャリストとして活動。
一九年間NY等で海外勤務をし、伝運慶の仏像のセール(〇八年)、藤田美術館コレクションセール(一七年)、伊藤若冲作品で有名なプライス・コレクションの出光美術館へのプライベートセール(一九年)など多くの実績を残す。
著書に『美意識の値段』(集英社新書)など。
一冊あればこれは便利! 鑑賞のポイントや、著者が選ぶ一○人のアーティスト、「死ぬまでに見ておきたい日本美術一○○選」まで載っていて、至れり尽くせりである。

本書の特長は、山口桂氏が海外のオークションで美術品を売買するプロであること。日本美術を外から見ている。世界に通用する価値ありと信じている。狭い日本で骨董をいじくる日本美術史とわけが違う。

印象派やピカソに詳しくても、日本美術を知らないあなたは恥を知りなさい。どんな作品も、出来たときはピカピカの現代美術。作家の創作をその時点の新鮮な驚きで受け止めよう。縄文のビーナスも運慶の造形も広重の「大はしあたけの夕立」も、ありえぬ真実をあらしめる荘厳なわざだ。こういう感動には日本も世界もないのだと気づかされる。

作家はなぜ超絶技巧をこらし、ここまで精魂こめて作品を作るのか。その作品が時空を超え、すべての人びとに届くと信じるから。本書は日本美術の本だが、「立派な作品ですね、日本の誇りですね」の安直なナショナリズムのはるか上を行く。美術を鏡に、永遠のなかに生きようとする人間の切なさを見つめる。
死ぬまでに知っておきたい日本美術 / 山口 桂
死ぬまでに知っておきたい日本美術
  • 著者:山口 桂
  • 出版社:集英社
  • 装丁:新書(256ページ)
  • 発売日:2022-11-17
  • ISBN-10:4087212424
  • ISBN-13:978-4087212426
内容紹介:
目利きが伝える、大人のための日本美術入門!【推薦】こんなに自由で幅広で、しかも独自目線の漲(みなぎ)っている日本美術ガイドに触れたことがない!──片山杜秀氏(政治学者、音楽評論家)… もっと読む
目利きが伝える、大人のための日本美術入門!


【推薦】
こんなに自由で幅広で、しかも独自目線の漲(みなぎ)っている日本美術ガイドに触れたことがない!
──片山杜秀氏(政治学者、音楽評論家)


【内容】
「西洋美術と比べて、日本美術には馴染みがない」。
そう感じている日本人は少なくないだろう。
しかし、絵画、掛軸、彫刻、陶芸、漆芸など日本美術の深遠な世界を知らずして一生を終えるのは実にもったいない。
本書は世界的オークション会社クリスティーズの日本支社長である著者が、豊富な体験エピソードを交え、豪華絢爛な屏風から知る人ぞ知る現代美術まで、日本美術の真髄を紹介する。
知識をたっぷり吸収したら、本書を携え、美術館・博物館めぐりに出かけてみよう。
美意識が磨かれる、大人のための日本美術入門。


【目次】
はじめに
第一章 日本美術とは何か
第二章 日本美術の妙なる仕掛け
第三章 私が選ぶ一〇人のアーティスト
第四章 日本美術の死角 過小評価の作品たち
第五章 死ぬまでに見ておきたい日本美術一〇〇選
おわりに


【おもな内容】
◎誰が・どこでつくったかという視点
◎舶来文化と「日本の美」の関わり
◎日本人に愛されることで日本美術品となった異国の工芸品
◎西洋の審美眼により「発見」された日本美術
◎「道具」が和の美を醸成させた
◎骨董品と古美術品は違うのか?
◎日本美術「再発見」のキーパーソン1 近代化・国際化を成し遂げた岡倉天心
◎日本美術「再発見」のキーパーソン2 日常の生活道具に美を見出した柳宗悦
◎「割れた茶碗」なのに、なぜ高いのか?
◎日本美術は世界に通用する本物の教養
◎現代に生きる新工芸系アーティストたち
◎「怖さ」を帯びた大正時代の美人画
◎百五十メートルの移動のために一万キロを旅した《洛中洛外図》


【著者プロフィール】
山口 桂(やまぐち かつら)
一九六三年東京都生まれ。
クリスティーズジャパン代表取締役社長。
国際浮世絵学会常任理事、公益財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団理事。
九二年クリスティーズに入社し、日本・東洋美術のスペシャリストとして活動。
一九年間NY等で海外勤務をし、伝運慶の仏像のセール(〇八年)、藤田美術館コレクションセール(一七年)、伊藤若冲作品で有名なプライス・コレクションの出光美術館へのプライベートセール(一九年)など多くの実績を残す。
著書に『美意識の値段』(集英社新書)など。

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2023年2月4日

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