書評

『核兵器について、本音で話そう』(新潮社)

  • 2024/05/20
核兵器について、本音で話そう / 太田 昌克
核兵器について、本音で話そう
  • 著者:太田 昌克
  • 出版社:新潮社
  • 装丁:新書(272ページ)
  • 発売日:2022-03-17
  • ISBN-10:410610945X
  • ISBN-13:978-4106109454
内容紹介:
日本は、中国、北朝鮮、ロシアなど猛烈に核能力を向上させている国に取り巻かれており、数千発もの核兵器の射程内にある。「唯一の被爆国の悲願」としての核廃絶は正しいが、本当にそれを望む… もっと読む
日本は、中国、北朝鮮、ロシアなど猛烈に核能力を向上させている国に取り巻かれており、数千発もの核兵器の射程内にある。「唯一の被爆国の悲願」としての核廃絶は正しいが、本当にそれを望むならば、東アジアの現状を踏まえた、ありうべき国家戦略を日本自身が構想しなければならない。内閣、自衛隊、メディアなどで核政策に深くコミットしてきた4人の専門家が、「タブーなき核論議」を展開する。
核を使うぞとロシアが脅す。北朝鮮はミサイル連射。大軍拡の中国は東アジアに敵なし。気づけば日本は核に対し脆弱だ。平和は守れるか。

その危うさを専門家四人が語る。司会役の兼原氏は元国家安全保障局次長。太田氏は共同通信編集委員。髙見澤氏は防衛省出身の元軍縮会議大使。番匠氏は自衛隊の元将官だ。日本人の認識は国際常識とズレている。核を正面から議論できない。核兵器は絶対の悪ですと言いつつ、日米安保が頼り。そのアメリカは核大国だ。同盟国の核で安心とは、態度が一貫していないではないか。

冷戦も核の傘も過去のものになった。北朝鮮や中国の中距離核ミサイルが日本を狙う。万一着弾したらアメリカは反撃をためらうかも。米本土が核攻撃されたら困るからだ。

ミサイルが飛んで来たらもう手遅れ。それを事前に防ぐ「抑止」に全力をあげるべきだ。装備の充実や同盟の強化はむろんだが、一番大事なのは日本の世論が目覚めること。軍事と核と安全保障について、ふつうに議論できることだ。本書はその入り口。時宜をえた警世の書である。
核兵器について、本音で話そう / 太田 昌克
核兵器について、本音で話そう
  • 著者:太田 昌克
  • 出版社:新潮社
  • 装丁:新書(272ページ)
  • 発売日:2022-03-17
  • ISBN-10:410610945X
  • ISBN-13:978-4106109454
内容紹介:
日本は、中国、北朝鮮、ロシアなど猛烈に核能力を向上させている国に取り巻かれており、数千発もの核兵器の射程内にある。「唯一の被爆国の悲願」としての核廃絶は正しいが、本当にそれを望む… もっと読む
日本は、中国、北朝鮮、ロシアなど猛烈に核能力を向上させている国に取り巻かれており、数千発もの核兵器の射程内にある。「唯一の被爆国の悲願」としての核廃絶は正しいが、本当にそれを望むならば、東アジアの現状を踏まえた、ありうべき国家戦略を日本自身が構想しなければならない。内閣、自衛隊、メディアなどで核政策に深くコミットしてきた4人の専門家が、「タブーなき核論議」を展開する。

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2022年7月16日

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