書評

『「鬼子」(グイヅ)たちの肖像―中国人が描いた日本人』(中央公論新社)

  • 2017/08/20
「鬼子」たちの肖像―中国人が描いた日本人  / 武田 雅哉
「鬼子」たちの肖像―中国人が描いた日本人
  • 著者:武田 雅哉
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:新書(255ページ)
  • 発売日:2005-09-01
  • ISBN-10:412101815X
  • ISBN-13:978-4121018151
内容紹介:
古来、中国人は日本人をさまざまにイメージし、歴史書に記録し、絵画に描いてきた。そのなかには、荒唐無稽なものもあるが、驚くほど現実に近く詳細なものもある。本書では、かつて日本人が「倭」と呼ばれていた時代の歴史書や地理書から、明の時代に人々が使っていた日用の辞書、日清戦争前後に発行された絵入り新聞、現代の映画に至るまで、中国人による日本人=「鬼子」イメージの変遷をたどる。
中国における日本人イメージを図像表象の視点から考察したものだ。同じステレオタイプでも、清末を境に大きな変化があった。清末まで日本人は「文」「武」の二種類に分けられ、「文人」は中国の読書人と変わらないが、「武人」は『水詩伝』の魯智深と同じ格好をしていた。

清末から「鬼子」という言葉が登場したが、最初は西洋人を意味していた。『点石斎画報』に描かれた日本人像には部分的に戯画化があったが、全体として醜悪なものではない。「鬼子」=日本兵という構図ができたのは、満州事変の後。そのあたりの変遷は図像にもとついて丁寧に検討されている。

いたずらに感情の対立を煽るのではなく、冷静に図像を読み解く姿勢に著者の見識が示されている。

【この書評が収録されている書籍】
本に寄り添う Cho Kyo's Book Reviews 1998-2010 / 張 競
本に寄り添う Cho Kyo's Book Reviews 1998-2010
  • 著者:張 競
  • 出版社:ピラールプレス
  • 装丁:単行本(408ページ)
  • 発売日:2011-05-28
  • ISBN-10:4861940249
  • ISBN-13:978-4861940248
内容紹介:
読み巧者の中国人比較文学者が、13年の間に書いた書評を集大成。中国関係の本はもとより、さまざまな分野の本を紹介・批評した、世界をもっと広げるための"知"の読書案内。

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

「鬼子」たちの肖像―中国人が描いた日本人  / 武田 雅哉
「鬼子」たちの肖像―中国人が描いた日本人
  • 著者:武田 雅哉
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:新書(255ページ)
  • 発売日:2005-09-01
  • ISBN-10:412101815X
  • ISBN-13:978-4121018151
内容紹介:
古来、中国人は日本人をさまざまにイメージし、歴史書に記録し、絵画に描いてきた。そのなかには、荒唐無稽なものもあるが、驚くほど現実に近く詳細なものもある。本書では、かつて日本人が「倭」と呼ばれていた時代の歴史書や地理書から、明の時代に人々が使っていた日用の辞書、日清戦争前後に発行された絵入り新聞、現代の映画に至るまで、中国人による日本人=「鬼子」イメージの変遷をたどる。

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2005年11月20日

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