1972年、和歌山県生まれ。英国ケンブリッジ大学卒業(政治社会学専攻)。英国グラスゴー大学博士号取得(英文学専攻)。現在、上智大学外国語学部英語学科教授。専門は、イギリスを中心とする近代小説。著書に『ケアの倫理とエンパワメント』(講談社)、『文学とアダプテーション2――ヨーロッパの古典を読む』(共編著、春…もっと読む
- 『本心』(文藝春秋)小川 公代
『本心』は“恋愛小説”として読めるか?恋愛小説を「恋」と「愛」との二つに分けて考えた場合、古典文学に描かれてきたのは、圧倒的に「恋」の方が多…
書評 - 『クララとお日さま』(早川書房)小川 公代
シニシズムに抗すること――「お日さま」の隠された意味宗教、人種、階級、ジェンダーなどによって分断される社会では、他者への、あるいは価値観の異…
書評 - 『三人の女たちの抗えない欲望』(早川書房)小川 公代
「正しい関係」の外にある愛「愛の疎外と失望こそ、エロスを構成するものである」という英文学者でフェミニズム思想家の竹村和子の言葉がある。この…
書評 - 『ミルクマン』(河出書房新社)小川 公代
分断の向こう側に出る語り「サムバディ・マクサムバディが私の胸に銃口を押し当てながら私を猫呼ばわりし、殺してやると脅したのは、ミルクマンが死…
書評 - 『肥満男子の身体表象: アウグスティヌスからベーブ・ルースまで』(法政大学出版局)小川 公代
肥満(オビーシティー)というスティグマを覆す肥満とスティグマサンダー・L・ギルマンは、西洋におけるスティグマの表象を凝視し続けてきた医学史専…
解説 - 『如何様』(朝日新聞出版)小川 公代
高山羽根子『如何様』と「ラピード・レチェ」――心に「活力」を与える想像力、心を傷つける想像力真似るということは、その存在そのものになってみる…
書評 - 『アイロニーはなぜ伝わるのか?』(光文社)小川 公代
単線的な目的論(テレオロジー)に抗うアイロニー言語習得とは、ある環境において、ものをどう考えるかの根っこのレベルで「洗脳」を受けるようなこと…
書評 - 『愛し続けられない人々』(図書新聞)小川 公代
『嵐が丘』をなぞる男と女の物語――親密圏の閾値とは?レイチェル・カスクという作家は、ヘンリー・ジェイムズの小説を彷彿とさせる文体だけでなく、…
書評 - 『セロトニン』(河出書房新社)小川 公代
『セロトニン』の語り手はかつてフランスの農業食糧省に勤めていた農業技官の中年男性フロラン=クロード・ラブルスト。過去に愛した女性たちの記憶を…
書評 - 『源氏物語 A・ウェイリー版1』(左右社)小川 公代
世界文学としての『源氏物語』『源氏物語』の日本語への〈戻し訳〉について考えるとき、「世界文学」という言葉が思い浮かぶ。1880年代に末松謙澄に…
書評 - 『謎とき『風と共に去りぬ』: 矛盾と葛藤にみちた世界文学』(新潮社)小川 公代
ミッチェルの文体の妙技に迫る『謎とき『風と共に去りぬ』――矛盾と葛藤にみちた世界文学』の読了感をひとことでいうと、「エピックのような、すごい…
書評 - 『「わたしのソーシャリズム」へ −−二〇世紀イギリス文化とレイモンド・ウィリアムズ』(研究社)小川 公代
「文化」はいかにして生み出されるのか。本書は、この問いに突き動かされた著者が、レイモンド・ウィリアムズという人間の思想を読み解くことによっ…
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