1953年生まれ。法政大学教授。77年、早稲田大学政治経済学部卒業。80年、同大学大学院経済学研究科修士課程修了後、八千代証券(国際証券、三菱証券を経て、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社。三菱UFJ証券チーフエコノミストを経て、2010年退社。同年、内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)。11年、内閣官房…もっと読む
- 『世界の見方の転換 1 ―― 天文学の復興と天地学の提唱』(みすず書房)水野 和夫
近代科学が開いた「無限成長」への道経済学を専門とする評者が、なぜ近代科学の道を開いたコペルニクスやケプラーらを扱った本書を取り上げるのか。…
書評 - 『1971年』(エヌティティ出版)水野 和夫
ドルが動き、すべてが動いたつくづく「グローバル化には明確な定義はない」(『グローバル・トランスフォーメーションズ』D・ヘルド他編)と思う。…
書評 - 『グローバリゼーション・パラドクス: 世界経済の未来を決める三つの道』(白水社)水野 和夫
破綻した「信じがたい仮説」先日、米連邦準備制度理事会が公開した2008年の議事録によれば、金融グローバリゼーション推進の舵(かじ)取りを任され…
書評 - 『デモクラシーの生と死 (上)』(みすず書房)水野 和夫
証拠を突きつけ、過去の常識覆す本書を読むと、古代・中世・近代を区分することになんの意味があるのか、そうすることで歴史の水面下で脈々と過去を…
書評 - 『人類5万年 文明の興亡: なせ西洋が世界を支配しているのか』(筑摩書房)水野 和夫
決め手は、時々の地理的条件英国の歴史学者ホブズボームは20世紀を「極端な世紀」と名付け、「8千年の歴史の終わり」と位置付けたが、本書を読むと…
書評 - 『革命と反動の図像学: 一八四八年、メディアと風景』(白水社)水野 和夫
19世紀の民衆は「英雄」か「蛮族」かもし、タイムマシンがあって一度だけ過去に連れ戻してくれるのなら、迷わず、1789年のフランス革命から1870年の…
書評 - 『遠い鏡』(朝日出版社)水野 和夫
怒りと不安の中、準備された未来「遠い鏡」こそが現在を映し出す。本書を読むと、いま起きている問題は、14世紀に端を発した矛盾が、姿・かたち・役…
書評 - 『近代世界システムIV―中道自由主義の勝利 1789-1914―』(名古屋大学出版会)水野 和夫
真骨頂の「自由貿易は保護主義」「長い16世紀」を扱った1巻刊行が1974年、やっと待望の4巻が出た。本書ではフランス革命の衝撃を吸収する過程である…
書評 - 『箱根駅伝 青春群像』(講談社)水野 和夫
「日本精神」凝縮した総合芸術「箱根駅伝」が、あと3週間足らずでやってくる(事務局注:初出は2013年12月15日)。たとえ贔屓(ひいき)の大学がな…
書評 - 『罪人を召し出せ』(早川書房)水野 和夫
危機的状況に断を下す者描く時はF・ブローデルのいう「長い16世紀」(1450〜1640年)の真っ只(ただ)中、1535年9月の不気味な鷹(たか)狩りに始ま…
書評 - 『ビスマルク』(白水社)水野 和夫
大帝国を育んだ天才性と悪魔性鉄血宰相オットー・フォン・ビスマルクには、様々な冠がつく。「天才」「レアルポリティークの実践者」といった好意的…
書評 - 『科学と人間 科学が社会にできること』(青土社)水野 和夫
[isbn:4004314402]数値化が進める近代文明の落日この2冊は、どちらも科学がますます専門化そして数値化することに対する警告の書である。日本を代…
書評 - 『自民党と公務員制度改革』(白水社)水野 和夫
背筋が凍る、近代日本の衰亡史本書が対象とする時期は2008年2月から公務員関連法案の廃案が決まる翌年7月までだ。著者は「古い時代の政治を取り扱っ…
書評 - 『ヴァスコ・ダ・ガマの「聖戦」: 宗教対立の潮目を変えた大航海』(白水社)水野 和夫
今とつながる15世紀末の大変化一般的には、文字を通してよりも映像のほうが迫力あるように思うが、本書を読めば、映像を超える壮大な絵巻物が瞼(ま…
書評 - 『「東洋の魔女」論』(イースト・プレス)水野 和夫
紡績業通して語る日本戦後論本書の途中でページをめくることができなくなった。「女工に負けたら恥じよ」と当時強豪の女子校チームに野次(やじ)ら…
書評 - 『醤油と薔薇の日々』(いそっぷ社)水野 和夫
女性を暗くする「成長」の強要著者は前著『結婚の条件』(2003年)で「少子化とは『結婚の条件』の問題」だと看破した。結婚の条件は女性の学歴に応…
書評 - 『アメリカ経済財政史1929‐2009―建国理念に導かれた政策と発展動力』(ミネルヴァ書房)水野 和夫
建国理念の実現は中間層の肩にE・H・カーの「歴史は、現在と過去との対話である」という定義をうけ、清水幾太郎は「現在が未来へ食い込むにつれて、…
書評 - 『消費税日記〜検証 増税786日の攻防〜』(プレジデント社)水野 和夫
「最強の根拠」は財務省の発案野田佳彦内閣が消費税増税法を成立させて、昨日(10日)でちょうど1年たった(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は…
書評 - 『ヨーロッパ文明の正体: 何が資本主義を駆動させたか』(筑摩書房)水野 和夫
解明の鍵は「棲み分け」にあり鉈(なた)で一刀両断されたような良い意味での重い読後感が残り、あらゆるものを数値と結びつけて考えたがる「理系バ…
書評 - 『人口減少社会という希望 コミュニティ経済の生成と地球倫理』(朝日新聞出版)水野 和夫
比重増すローカルで内的な生成長至上主義者は本書を読んで、どう反論するだろうか。これまで幾度となく成長戦略が打ち出されてきたものの「失われた…
書評