1953年生まれ。法政大学教授。77年、早稲田大学政治経済学部卒業。80年、同大学大学院経済学研究科修士課程修了後、八千代証券(国際証券、三菱証券を経て、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社。三菱UFJ証券チーフエコノミストを経て、2010年退社。同年、内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)。11年、内閣官房…もっと読む
- 『永続敗戦論――戦後日本の核心』(太田出版)水野 和夫
対米従属を続けたい人だらけ書名以上に、本書の内容は刺激的である。読んだあと、顔面に強烈なパンチを見舞われ、あっけなくマットに仰向けに倒れこ…
書評 - 『経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える』(作品社)水野 和夫
事後に過ち正せぬ時代が到来本書はフランスで2009年に上梓(じょうし)された『悪徳の栄え』(原題)の邦訳である。1万年前の新石器革命において「…
書評 - 『幸福の経済学―人々を豊かにするものは何か』(日本経済新聞出版社)水野 和夫
幸せな農民、不満な成功者の謎幸福は経済学者や心理学者がそれを考察対象とする以前から哲学的な思想のテーマだと著者は主張する。幸福をベンサム的…
書評 - 『幻想のジャンヌ・ダルク―中世の想像力と社会』(昭和堂)水野 和夫
中世の終わりを刻印した乙女1430年5月、ジャンヌ・ダルクは仏コンピエーニュ郊外でイギリス=ブルゴーニュ派の手に落ち、翌年5月、英国支配下の仏ル…
書評 - 『ユーロ消滅?――ドイツ化するヨーロッパへの警告』(岩波書店)水野 和夫
危機への岐路に立つメルケルユーロ危機を国家債務危機ととらえた経済学者は「資本の理解者」となって貧者に新自由主義を強いると著者は指摘する。債…
書評 - 『エラスムス――人文主義の王者』(岩波書店)水野 和夫
現代を予見した「もの書く男」エラスムスはルターとの対比で語られることが多い。行動派で勇猛果敢な後者に対して、前者は思索的で優柔不断な人と、…
書評 - 『科学vs.キリスト教 世界史の転換』(講談社)水野 和夫
真実追究に命賭けたロマン既存の価値観を変える意識革命は一人の天才によってなし遂げられるものではない。本書は17世紀の「科学革命」から「博物学…
書評 - 『カール・シュミット入門講義』(作品社)水野 和夫
「決断」の真意、例外状況の今こそもし今生きているとしたら誰に現在の状況を診断してほしいかといえば、カール・シュミットである。彼の著作や論文…
書評 - 『人口の世界史』(東洋経済新報社)水野 和夫
繁栄、安定、安全に迫る危機人口の増減が経済・社会に与える影響を述べた書は数多(あまた)あるが、「人間の歴史を通して、人口は繁栄、安定、安全…
書評 - 『神と黄金 イギリス、アメリカはなぜ近現代世界を支配できたのか』(青灯社)水野 和夫
「変化=進歩」の驚くべき楽観性書名のとおり、本書の中心テーマは宗教(神)と資本主義(黄金)の関係にある。著者はかつて外交問題評議会(CFR)…
書評 - 『ローマ帝国の崩壊: 文明が終わるということ』(白水社)水野 和夫
豊かな古代の「終焉」を実証近年の欧米の主流歴史学の表現では、ローマ帝国は「崩壊」したのではなく「変容」したということになる。この立場は「古…
書評 - 『アダム・スミスとその時代』(白水社)水野 和夫
「真の人間学」追究した哲学者本書は哲学者アダム・スミスの「思想の伝記」である。スミスは経済学の父と一般的にいわれるが、それはほんの一面を表…
書評 - 『文明と文化の思想』(白水社)水野 和夫
新しい神話を生んだ西欧近代評者が漠然と感じていたグローバリゼーションなどの不気味さの正体を知らしめてくれたのが、前著『ミュージアムの思想』…
書評 - 『アベノミクス批判――四本の矢を折る』(岩波書店)水野 和夫
狙うは「戦後体制からの脱却」本書は19世紀のドイツ国民ならぬ21世紀の「日本国民に告ぐ」憂国の書である。リベラル派の立場を鮮明にする筆者の「ア…
書評 - 『海賊たちの黄金時代: アトランティック・ヒストリーの世界』(ミネルヴァ書房)水野 和夫
時代の先を進んだ荒くれたち『海賊たちの黄金時代』は生きるために海賊にならざるを得なかった最下層の人々が、資本主義社会への移行期において自ら…
書評 - 『大格差:機械の知能は仕事と所得をどう変えるか』(エヌティティ出版)水野 和夫
科学が魔と化す、天才マシン時代前著『大停滞』(2011年)で、著者は「イノベーション(技術革新)が停滞しているせいで」アメリカは「大停滞」して…
書評 - 『キリスト教とローマ帝国』(新教出版社)水野 和夫
初期信徒は中・上流の都市住民ここ数年、不思議に思っていたことが二つある。一つは1215年にローマ・キリスト教会が利子率を容認してわずか50年後に…
書評 - 『日本銀行と政治-金融政策決定の軌跡』(中央公論新社)水野 和夫
秩序のゆらぎ、生き生きと描く政治であれ、経済であれ、どんなシステムも秩序が維持されて初めてうまく機能する。秩序維持には、生命の安全、信義、…
書評 - 『図説 大西洋の歴史―世界史を動かした海の物語』(悠書館)水野 和夫
奴隷と妄想を積み、大海を渡る「必要は発明の母」はイノベーションのみならず制度にも当てはまる。ハンムラビ法典の時代から存在した奴隷制度だが、…
書評 - 『経済と人間の旅』(日本経済新聞出版社)水野 和夫
効率より人を重んじた思想家宇沢弘文は経済学者の枠には収まらない。思想家と呼んだほうがふさわしい。ある時宇沢は「本来は人間の幸せに貢献するは…
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