
1954年東京生まれ。東京大学卒、ハーバード大学スラヴ語学文学科に学ぶ。2020年7月現在、名古屋外国語大副学長。2002年、『徹夜の塊 亡命文学論』(作品社)でサントリー学芸賞、2004年、『ユートピア文学論』(作品社)で読売文学賞評論・伝記賞を受賞。著書に『屋根の上のバイリンガル』(白水社)、『ユートピアへの手…もっと読む
- 『ガザに地下鉄が走る日』(みすず書房)沼野 充義
すべては想像から始まる現代アラブ文学を専門とする著者による、パレスチナ問題をめぐるエッセー集である。封鎖が長く続き悲惨な状況に陥っている現…
書評 - 『ある男』(文藝春秋)沼野 充義
理知と繊細な情感の融合平野啓一郎の新作長編『ある男』は、意表をつくようなシンプルなタイトルとは裏腹に、様々な要素を複雑に絡み合わせ、小説家…
書評 - 『プレヴェール詩集』(岩波書店)沼野 充義
「親しいともだち」のように待っている言葉特に好きな詩人が三人いる。日本の谷川俊太郎、ポーランドのヴィスワヴァ・シンボルスカ、そしてフランス…
書評 - 『モラルの話』(人文書院)沼野 充義
文学に何ができるか南アフリカ出身のノーベル文学賞作家、クッツェーの最新短編集である。比較的短い七編から構成されるコンパクトな作りの本。しか…
書評 - 『アーダ〔新訳版〕』(早川書房)沼野 充義
「言葉の魔術師」のすべてウラジーミル・ナボコフの晩年の大作『アーダ』の新訳である。原著は一九六九年刊、日本語には一九七七年に一度訳されてい…
書評 - 『世界イディッシュ短篇選』(岩波書店)沼野 充義
マイナー言語で書かれる「世界文学」イディッシュ語と言っても、多くの読者にはあまりなじみのない言語だろう。東欧系ユダヤ人が日常的に用いた話し…
書評 - 『NOVEL 11, BOOK 18 - ノヴェル・イレブン、ブック・エイティーン』(中央公論新社)沼野 充義
世界文学の沃野示す特異な文体現代ノルウェイでもっとも評価の高い作家の一人、ダーグ・ソールスターの小説が、村上春樹の訳によって初めて日本語で…
書評 - 『ニュルンベルク合流:「ジェノサイド」と「人道に対する罪」の起源』(白水社)沼野 充義
本当の主役は二つの町評者は昨年の九月、ウクライナのリヴィウで開催された世界ペン大会に出席した折、同地の国立大学の大ホール(この本の舞台にも…
書評 - 『師弟のまじわり』(岩波書店)沼野 充義
教育の意味を雄弁に解き明かす教育はいつの世でも大きな問題だが、いまほど教師の質や役割が問われている時代はないのではないだろうか。そんなとき…
書評