
1954年東京生まれ。東京大学卒、ハーバード大学スラヴ語学文学科に学ぶ。2020年7月現在、名古屋外国語大副学長。2002年、『徹夜の塊 亡命文学論』(作品社)でサントリー学芸賞、2004年、『ユートピア文学論』(作品社)で読売文学賞評論・伝記賞を受賞。著書に『屋根の上のバイリンガル』(白水社)、『ユートピアへの手…もっと読む
『源氏物語 A・ウェイリー版1』(左右社)
沼野 充義古くて新しい現代の世界文学『源氏物語』には、与謝野晶子を初めとして、谷崎潤一郎、円地文子、瀬戸内寂聴などによる数多くの近・現代日本語訳があ…
書評
『井上陽水英訳詞集』(講談社)
沼野 充義翻訳で歌詞の深層解き明かすアメリカ出身の日本文学者として高名なロバート・キャンベルと井上陽水。この組み合わせは何やら唐突で思いがけないもの…
書評
『シュテットル――ポーランド・ユダヤ人の世界』(みすず書房)
沼野 充義「絶滅」前の人々の日常を活写「シュテットル」とは、東欧のユダヤ人たちがコミュニティを作って住んだ「小さな町」のことである。日本でもよく知ら…
書評
『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇29』(新潮社)
沼野 充義「福袋」のような予期せぬ発見アメリカの日本文学者、ジェイ・ルービンが編纂(へんさん)した近現代日本小説選集である。もともと英語圏読者のため…
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『三省堂現代新国語辞典 第六版』(三省堂)
沼野 充義文学的見識の高さ示すインターネットがこれほど発達した現在、紙の辞書はもう使わないという人も多いだろう。しかし、最近改訂されて第六版が出た『…
書評
『ガザに地下鉄が走る日』(みすず書房)
沼野 充義すべては想像から始まる現代アラブ文学を専門とする著者による、パレスチナ問題をめぐるエッセー集である。封鎖が長く続き悲惨な状況に陥っている現…
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『ある男』(文藝春秋)
沼野 充義理知と繊細な情感の融合平野啓一郎の新作長編『ある男』は、意表をつくようなシンプルなタイトルとは裏腹に、様々な要素を複雑に絡み合わせ、小説家…
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『プレヴェール詩集』(岩波書店)
沼野 充義「親しいともだち」のように待っている言葉特に好きな詩人が三人いる。日本の谷川俊太郎、ポーランドのヴィスワヴァ・シンボルスカ、そしてフランス…
書評
『モラルの話』(人文書院)
沼野 充義文学に何ができるか南アフリカ出身のノーベル文学賞作家、クッツェーの最新短編集である。比較的短い七編から構成されるコンパクトな作りの本。しか…
書評
『アーダ〔新訳版〕』(早川書房)
沼野 充義「言葉の魔術師」のすべてウラジーミル・ナボコフの晩年の大作『アーダ』の新訳である。原著は一九六九年刊、日本語には一九七七年に一度訳されてい…
書評
『世界イディッシュ短篇選』(岩波書店)
沼野 充義マイナー言語で書かれる「世界文学」イディッシュ語と言っても、多くの読者にはあまりなじみのない言語だろう。東欧系ユダヤ人が日常的に用いた話し…
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『NOVEL 11, BOOK 18 - ノヴェル・イレブン、ブック・エイティーン』(中央公論新社)
沼野 充義世界文学の沃野示す特異な文体現代ノルウェイでもっとも評価の高い作家の一人、ダーグ・ソールスターの小説が、村上春樹の訳によって初めて日本語で…
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『ニュルンベルク合流:「ジェノサイド」と「人道に対する罪」の起源』(白水社)
沼野 充義本当の主役は二つの町評者は昨年の九月、ウクライナのリヴィウで開催された世界ペン大会に出席した折、同地の国立大学の大ホール(この本の舞台にも…
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『師弟のまじわり』(岩波書店)
沼野 充義教育の意味を雄弁に解き明かす教育はいつの世でも大きな問題だが、いまほど教師の質や役割が問われている時代はないのではないだろうか。そんなとき…
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