書評
『余命1ヶ月の花嫁』(マガジンハウス)
23歳で乳がんと診断された長島千恵さん。父親や恋人、友人に支えられ、治ると信じて手術を受け、SE(システムエンジニア)の資格を取り、再就職も果たす。しかし……。
千恵さんの素直で飾らない人柄、周囲の計り知れない愛情と友情に心打たれる。昨年5月にTBS「イブニング・ファイブ」で放送され、大反響を呼んだ実話の書籍化。執筆したのは取材を担当したTBSの記者、樫元照幸さんだ。「テレビでは伝えきれなかった心の機微や背景も描かれている。生前の千恵さんに接した当事者であると同時に、記者の目線もあり、主観と客観のバランスが取れている。恋人とのメールの内容や乳がんの情報を載せるなど、繊細で行き届いた原稿をいただきました」と、担当編集者の村尾雅彦さん。放映を楽しみにしていた千恵さんは、放送日の直前に亡くなった。彼女に見せることができなかった悔恨の思いが、執筆の原動力にもなったようだ。
昨年12月(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2008年2月)の発売直後には「イブニング・ファイブ」をはじめ、TBS系の番組で紹介され、すぐ重版に。それ以降も口コミで広がり、ほぼ毎週増刷。父親、恋人、女友達、それぞれの物語が垣間見えるが、「読者は女性が7割、その大半が30歳以下。一部の書店でケータイ小説など若者向けの本の棚に並べたら、売り上げが伸びたそうです。男性読者も20代が圧倒的で、同世代のカップルの実話に関心を抱くようです」と、営業部の芝山喜久男さん。若い読者から「生きる勇気をもらった」「周囲の人の大切さを知った」と、前向きな声が多いのは、千恵さんの思いがちゃんと届いているという証しだろう。
千恵さんの素直で飾らない人柄、周囲の計り知れない愛情と友情に心打たれる。昨年5月にTBS「イブニング・ファイブ」で放送され、大反響を呼んだ実話の書籍化。執筆したのは取材を担当したTBSの記者、樫元照幸さんだ。「テレビでは伝えきれなかった心の機微や背景も描かれている。生前の千恵さんに接した当事者であると同時に、記者の目線もあり、主観と客観のバランスが取れている。恋人とのメールの内容や乳がんの情報を載せるなど、繊細で行き届いた原稿をいただきました」と、担当編集者の村尾雅彦さん。放映を楽しみにしていた千恵さんは、放送日の直前に亡くなった。彼女に見せることができなかった悔恨の思いが、執筆の原動力にもなったようだ。
昨年12月(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2008年2月)の発売直後には「イブニング・ファイブ」をはじめ、TBS系の番組で紹介され、すぐ重版に。それ以降も口コミで広がり、ほぼ毎週増刷。父親、恋人、女友達、それぞれの物語が垣間見えるが、「読者は女性が7割、その大半が30歳以下。一部の書店でケータイ小説など若者向けの本の棚に並べたら、売り上げが伸びたそうです。男性読者も20代が圧倒的で、同世代のカップルの実話に関心を抱くようです」と、営業部の芝山喜久男さん。若い読者から「生きる勇気をもらった」「周囲の人の大切さを知った」と、前向きな声が多いのは、千恵さんの思いがちゃんと届いているという証しだろう。
朝日新聞 2008年02月03日
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