書評
『現代中国短編集』(平凡社)
現代中国文学の代表的な作家を挙げるのは難しい。というより、無意味なのかもしれない。数え切れないほどの作家がいて、それぞれ地域性、世代の感覚を生かして創作に携わっている。とりわけ若い作家たちは甲乙がつけにくい。同じ作家でも作品によってばらつきが大きい。中国では文学が文化の頂点に位置する時代はすでに終わった。魯迅のような時代精神を代表できる作家はもはやいない。しかし現代作家の水準の高さを示す作品はないわけではない。このアンソロジーからも一斑をうかがうことができる。
本書には六人の作家が書いた九つの短編が収められている。李昂(リーアン)「さらば故郷」から入り、格非(コフエイ)「迷い舟」、余華(ユウホウ)「アクシデント」へと読み進むのが無難なコースであろう。
どの作家のどの作品を選ぶかは編者の自由で、評者はとやかくいう立場にない。ただ、もし筆者ならば蘇童(スウトン)「一九三四年の逃亡」と残雪(ツァンシュエ)「わたしの、あの世界でのこと――友へ」もぜひ入れたい。まったく個人的な趣味ながら。
【この書評が収録されている書籍】
本書には六人の作家が書いた九つの短編が収められている。李昂(リーアン)「さらば故郷」から入り、格非(コフエイ)「迷い舟」、余華(ユウホウ)「アクシデント」へと読み進むのが無難なコースであろう。
どの作家のどの作品を選ぶかは編者の自由で、評者はとやかくいう立場にない。ただ、もし筆者ならば蘇童(スウトン)「一九三四年の逃亡」と残雪(ツァンシュエ)「わたしの、あの世界でのこと――友へ」もぜひ入れたい。まったく個人的な趣味ながら。
【この書評が収録されている書籍】
ALL REVIEWSをフォローする







































