書評
『百年の中国人』(朝日新聞社)
政治、経済、文化など各分野のキー・マンを通して、二十世紀の中国を振り返る。近代史に大きな足跡を残した人たちはもちろん、裏の世界を支配したマフィアのボスまで取り上げられている。また、「中国ミサイルの父」と呼ばれた科学者や華僑の実業家など、日本では必ずしも知られていない人たちにもスポットライトが当てられた。
中国人のほか、欧米人や日本人が紹介されたのは面白い着想である。この百年は中国が外部世界ともっとも頻繁に、かつ劇的に付き合ってきた世紀である。エドガー・スノーや竹内好(よしみ)らの活躍は、中国に対する外国の関心を代表し、また中国と日本、中国と世界の関係を想起させる。
この種の本は書きやすいようで、意外に新鮮味を出しにくい。本書がステレオタイプに陥らないのは、著者がその点を的確に予見したからであろう。月並みの紹介本と違い、これまであまり知られていなかったエピソードに着目したことが功を奏した。文章も達意で、テンポがよい。
【この書評が収録されている書籍】
中国人のほか、欧米人や日本人が紹介されたのは面白い着想である。この百年は中国が外部世界ともっとも頻繁に、かつ劇的に付き合ってきた世紀である。エドガー・スノーや竹内好(よしみ)らの活躍は、中国に対する外国の関心を代表し、また中国と日本、中国と世界の関係を想起させる。
この種の本は書きやすいようで、意外に新鮮味を出しにくい。本書がステレオタイプに陥らないのは、著者がその点を的確に予見したからであろう。月並みの紹介本と違い、これまであまり知られていなかったエピソードに着目したことが功を奏した。文章も達意で、テンポがよい。
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