書評
『「慰安婦」問題とアジア女性基金』(東信堂)
この本を読むまで、関係者がここまで苦労したとは知らなかった。一時マスコミでも盛んに取り上げられた問題だが、新聞と雑誌を読んだだけでは、やはりわからなかったことが多い。
アジア女性基金は正しくは「女性のためのアジア平和国民基金」という、この基金がなぜ、どのような趣旨で設立されたかについて、関係者の証言によって詳細に紹介されている。「慰安婦問題」とは何なのか、法的にはどう捉えるべきなのか。それらのことを取り上げた論文も興味深いが、アジア女性基金はこれまでなにをしてきたのか、関係者や拠金者たちはなぜ協力したのかもこれでよく納得した。「慰安婦」とされた人たちが基金の活動に対しどう反応したかも、メディアでは報じられなかったことである。
アジア女性基金に対し、さまざまな理由から反対する人たちがいる。「左」か「右」かを問わず、そうした声は公平に収録されている。現在の問題を扱いながら、歴史資料の重みを感じさせる貴重な証言集でもある。
【この書評が収録されている書籍】
アジア女性基金は正しくは「女性のためのアジア平和国民基金」という、この基金がなぜ、どのような趣旨で設立されたかについて、関係者の証言によって詳細に紹介されている。「慰安婦問題」とは何なのか、法的にはどう捉えるべきなのか。それらのことを取り上げた論文も興味深いが、アジア女性基金はこれまでなにをしてきたのか、関係者や拠金者たちはなぜ協力したのかもこれでよく納得した。「慰安婦」とされた人たちが基金の活動に対しどう反応したかも、メディアでは報じられなかったことである。
アジア女性基金に対し、さまざまな理由から反対する人たちがいる。「左」か「右」かを問わず、そうした声は公平に収録されている。現在の問題を扱いながら、歴史資料の重みを感じさせる貴重な証言集でもある。
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