書評
『アンディ・ウォーホルのヘビのおはなし』(河出書房新社)
ポップ・アートのスターになる直前まで、ウォーホルはコマーシャル・イラストレーターとして活躍していた。そのころのイラストこそが自由闊達(かったつ)で好きだというファンは多い。
その一番最後の時期、一九六三年に、彼が高級皮革ブティックのために描いた物語の下絵が残っていた。結局利用されなかったモノクロ作品に、新しく彩色して発表されたのがこの本だ。ウォーホルがルンルン言いながら気持ちよく描いているのが聞こえてくるような楽しさがある。
日本版はふりがな付きの絵本になったが、実は全然子供向けを意識していない。セレブリティたちに取り入って愛好されていく蛇に自分を仮託して、ちょっと皮肉に見ているところがいい。真面目になりすぎたときに、何度も見直してみたい一冊。野中邦子訳。
その一番最後の時期、一九六三年に、彼が高級皮革ブティックのために描いた物語の下絵が残っていた。結局利用されなかったモノクロ作品に、新しく彩色して発表されたのがこの本だ。ウォーホルがルンルン言いながら気持ちよく描いているのが聞こえてくるような楽しさがある。
日本版はふりがな付きの絵本になったが、実は全然子供向けを意識していない。セレブリティたちに取り入って愛好されていく蛇に自分を仮託して、ちょっと皮肉に見ているところがいい。真面目になりすぎたときに、何度も見直してみたい一冊。野中邦子訳。
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