書評

『ぼくの宝ばこ』(講談社)

  • 2020/10/02
ぼくの宝ばこ / 少年 アヤ
ぼくの宝ばこ
  • 著者:少年 アヤ
  • 出版社:講談社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(190ページ)
  • 発売日:2020-05-13
  • ISBN-10:4065192331
  • ISBN-13:978-4065192337
内容紹介:
かぐわしいもの、きらめくものが好きな少年アヤが、好きなものについて語るエッセイ。辛い日々を生きるヒント。

好きなものはアイデンティティーそのもの

この著者のエッセー集が刊行されるたび、ゆっくり読みふける。記憶をとても大切にし、そして、育てているからだ。時にしんどい日々を静かに更新するため、自分と懸命に寄り添う。

「『おかま』として、ピエロとして振る舞う日々」を思い出す。「ただしい男の子たちの真っ当さが、より胸に刺さるようになっていった」。雑誌のふろくを、セーラームーンのシールを、レイアースの海ちゃんの人形をそばに置く。「ぼくの好きなものは、ぼくのアイデンティティーそのもの」なのだ。

かわいいもの、うつくしいものと一緒にいる。存在まるごと、ないがしろにされる出来事が続いても、その宝ものは裏切らない。「神さまでさえ立ち入れない聖域を、こころにたくさん持っているなんて、ぼくもなかなか勇敢じゃないか」

熟成された記憶に、ものと感情が混ざり合う。大切なものを大切と言い切れる優しさって、こんなに、たくましくもあるのだ。
ぼくの宝ばこ / 少年 アヤ
ぼくの宝ばこ
  • 著者:少年 アヤ
  • 出版社:講談社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(190ページ)
  • 発売日:2020-05-13
  • ISBN-10:4065192331
  • ISBN-13:978-4065192337
内容紹介:
かぐわしいもの、きらめくものが好きな少年アヤが、好きなものについて語るエッセイ。辛い日々を生きるヒント。

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初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2020年7月18日

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