書評
『ももんがあ対見越入道――江戸の化物たち』(講談社)
化け物という視覚装置を通して、江戸文化を眺望する。「妖怪博士」という愛称を持つ著者はもともと幻想文学の研究者。十二年前から江戸の化け物に興味を持ち、妖怪の研究に並々ならぬ情熱を傾けてきた。
草双紙に描かれた化け物の生態考察が本来の眼目である。第一部ではまず化け物がどのように表象されたかを種類別に紹介した。第二部では妖怪からの恋愛や性が取り上げられ、第三部では衣食住について考察が行われた。妖怪たちの言動も可笑しいが、彼らをこよなく愛する著者の語り口も江戸の諧謔精神に溢れている。
非日常的な存在のあり方を人間生活の投影として読み解いていくと、近世の人々の想像力や願望が見えてきて面白い。
【この書評が収録されている書籍】
草双紙に描かれた化け物の生態考察が本来の眼目である。第一部ではまず化け物がどのように表象されたかを種類別に紹介した。第二部では妖怪からの恋愛や性が取り上げられ、第三部では衣食住について考察が行われた。妖怪たちの言動も可笑しいが、彼らをこよなく愛する著者の語り口も江戸の諧謔精神に溢れている。
非日常的な存在のあり方を人間生活の投影として読み解いていくと、近世の人々の想像力や願望が見えてきて面白い。
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