書評
『都会の鳥の生態学-カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰』(中央公論新社)
再開発が進む東京では、高層ビルが次々と建ち、緑が失われていく。ツバメやスズメなど鳥たちも住み処を失って……と思いきや、どっこい彼らはしたたかだ。都会の鳥を観察してきた著者による本書には、驚くことがたくさん書かれている。
たとえば、都心では猛禽類が増えているという。本来は岩場が縄張りのハヤブサが超高層ビルに暮らし、オオタカが緑地の高木にとまる。さらにはフクロウまでも。脅かされるのは、都市生態系の頂点に君臨していたカラスだ。自然教育園(港区)や砧公園(世田谷区)では、ハシブトガラスを捕食するオオタカが目撃されているとか。
温暖化の影響だろうか、ツバメが渡ってくる時期が早まっているそうだ。興味深いのがツバメの“不動産評価”。カラスなど外敵からの安全性や、巣を作る泥の入手しやすさなどが人気のポイントだ。前年の物件をリフォームして住むツバメもいる。そして、なんとツバメの巣を乗っ取るスズメも!藁や枯れ草を巣に詰め込んでツバメの出入りを妨害するのだから巧妙だ。毎日楽しく歌っている都会の鳥たちだが、その裏では激しいバトルが繰り広げられている。
たとえば、都心では猛禽類が増えているという。本来は岩場が縄張りのハヤブサが超高層ビルに暮らし、オオタカが緑地の高木にとまる。さらにはフクロウまでも。脅かされるのは、都市生態系の頂点に君臨していたカラスだ。自然教育園(港区)や砧公園(世田谷区)では、ハシブトガラスを捕食するオオタカが目撃されているとか。
温暖化の影響だろうか、ツバメが渡ってくる時期が早まっているそうだ。興味深いのがツバメの“不動産評価”。カラスなど外敵からの安全性や、巣を作る泥の入手しやすさなどが人気のポイントだ。前年の物件をリフォームして住むツバメもいる。そして、なんとツバメの巣を乗っ取るスズメも!藁や枯れ草を巣に詰め込んでツバメの出入りを妨害するのだから巧妙だ。毎日楽しく歌っている都会の鳥たちだが、その裏では激しいバトルが繰り広げられている。
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