書評

『衝撃の彼方 ディープインパクト』(三賢社)

  • 2025/06/03
衝撃の彼方 ディープインパクト / 軍土門 隼夫
衝撃の彼方 ディープインパクト
  • 著者:軍土門 隼夫
  • 出版社:三賢社
  • 装丁:単行本(220ページ)
  • 発売日:2021-03-20
  • ISBN-10:4908655189
  • ISBN-13:978-4908655180
内容紹介:
★『優駿』で注目を集めた連載「名馬の一生 ディープインパクト」を加筆修正して1冊に。追憶のディープ、17年127日の生涯。2019年7月30日、突然この世を去ったディープインパクト。競走馬と… もっと読む
★『優駿』で注目を集めた連載「名馬の一生 ディープインパクト」を加筆修正して1冊に。

追憶のディープ、17年127日の生涯。
2019年7月30日、突然この世を去ったディープインパクト。
競走馬として、そして種牡馬として偉大な足跡を残した歴史的名馬の一生を、
関係者への丹念な取材を通してよみがえらせた渾身のノンフィクション。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

■目次

はじめに

1 母と父
プロローグ〜二〇二〇年・春、ノーザン ホースパーク/ 「即決」で購入した繁殖牝馬/英国王室が育んだ血統/父はアメリカ二冠馬

2 小さな弟
兄は九七〇〇万円で落札/タイプの違う兄弟/第五回セレクトセール/一声で終わった理由/小さく目立たない弟

3 巣立ち
「横手厩舎」で始まった調教育成/並外れた俊敏さが招く「落馬」/見劣りした「ブラックタイドの弟」/坂路調教で評価が一変

4 出陣
新馬戦の衝撃、規格外の若駒ステークス/科学でも証明された能力の高さ/ 「クビ差」だった弥生賞/ 「走っているというより、飛んでいる感じ」/ギリギリの蹄を救った「接着装蹄」

5 悲願と偉業
究極の仕上がり/直線大外を「独走」/強化合宿のテーマは「我慢」/前哨戦で不安を一掃/史上二頭目、無敗での三冠制覇

6 機運到来
有馬記念に向けて/大雪と生涯初の敗戦/気持ちを入れ替える/ 「復活」の走り/壮行会ムードの宝塚記念

7 重たい空気
凱旋門賞の舞台へ/ロンシャンでの追い切り/直線、歓声が悲鳴に変わる/引退発表、そして禁止薬物の検出

8 第二の門出
大団円/一般公開とC M出演/小柄の種牡馬には大柄の牝馬を/サンデー産駒らしくない性格や体質/勝ちまくる初年度産駒たち

9 勢力拡大
始まりはマイルG I勝ちだった/クラシックディスタンスでの活躍/加速する勢い/ 「血」の広がり/海を越えてやって来る良血牝馬/種付料が父を超える

10 喪失と継承
首の不具合、手術、そして早すぎる死/八年連続のリーディングサイアー/コントレイル が無敗の三冠馬に/喪失と継承/エピローグ〜二〇二一年・春、ノーザンホースパーク

おわりに
初めてディープインパクトを見たのは、新馬戦後の若駒ステークスだった。後に「飛ぶ」といわれる怒濤の追い込みはひどく衝撃だった。

三十数年前まで競馬後進国だった日本が、二十世紀末、一気に世界の舞台に躍り出た。背景には日本の牧場がアメリカの二冠馬サンデーサイレンスを購入し、その産駒が競馬場で走りだしたことがある。傑出した名馬が次々に登場し、その最高傑作がディープである。無敗の三冠馬、生涯14戦12勝(うちGⅠ・7勝)。

それだけでも輝かしい経歴なのに、ディープの凄さは種牡馬になってからの産駒の成績にもある。国内の数多くのGⅠ優勝馬ばかりか、種付けに来日した欧米の牝馬から海外のGⅠ優勝馬すら出したのだ。種牡馬となったディープは「本当にフレンドリーな馬だ」とも「こんないいやつには、初めて会った」とすら言いたくなるらしい。さらに、昨年には産駒のコントレイルが父同様の無敗の三冠馬になったのだから、衝撃は彼方まで鳴りやまない。

その短すぎた一七年一二七日の生涯。まさしく、神に選ばれ、ファンに愛され、周囲の人々を幸福にした「日本競馬の至宝」なのだ。
衝撃の彼方 ディープインパクト / 軍土門 隼夫
衝撃の彼方 ディープインパクト
  • 著者:軍土門 隼夫
  • 出版社:三賢社
  • 装丁:単行本(220ページ)
  • 発売日:2021-03-20
  • ISBN-10:4908655189
  • ISBN-13:978-4908655180
内容紹介:
★『優駿』で注目を集めた連載「名馬の一生 ディープインパクト」を加筆修正して1冊に。追憶のディープ、17年127日の生涯。2019年7月30日、突然この世を去ったディープインパクト。競走馬と… もっと読む
★『優駿』で注目を集めた連載「名馬の一生 ディープインパクト」を加筆修正して1冊に。

追憶のディープ、17年127日の生涯。
2019年7月30日、突然この世を去ったディープインパクト。
競走馬として、そして種牡馬として偉大な足跡を残した歴史的名馬の一生を、
関係者への丹念な取材を通してよみがえらせた渾身のノンフィクション。

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■目次

はじめに

1 母と父
プロローグ〜二〇二〇年・春、ノーザン ホースパーク/ 「即決」で購入した繁殖牝馬/英国王室が育んだ血統/父はアメリカ二冠馬

2 小さな弟
兄は九七〇〇万円で落札/タイプの違う兄弟/第五回セレクトセール/一声で終わった理由/小さく目立たない弟

3 巣立ち
「横手厩舎」で始まった調教育成/並外れた俊敏さが招く「落馬」/見劣りした「ブラックタイドの弟」/坂路調教で評価が一変

4 出陣
新馬戦の衝撃、規格外の若駒ステークス/科学でも証明された能力の高さ/ 「クビ差」だった弥生賞/ 「走っているというより、飛んでいる感じ」/ギリギリの蹄を救った「接着装蹄」

5 悲願と偉業
究極の仕上がり/直線大外を「独走」/強化合宿のテーマは「我慢」/前哨戦で不安を一掃/史上二頭目、無敗での三冠制覇

6 機運到来
有馬記念に向けて/大雪と生涯初の敗戦/気持ちを入れ替える/ 「復活」の走り/壮行会ムードの宝塚記念

7 重たい空気
凱旋門賞の舞台へ/ロンシャンでの追い切り/直線、歓声が悲鳴に変わる/引退発表、そして禁止薬物の検出

8 第二の門出
大団円/一般公開とC M出演/小柄の種牡馬には大柄の牝馬を/サンデー産駒らしくない性格や体質/勝ちまくる初年度産駒たち

9 勢力拡大
始まりはマイルG I勝ちだった/クラシックディスタンスでの活躍/加速する勢い/ 「血」の広がり/海を越えてやって来る良血牝馬/種付料が父を超える

10 喪失と継承
首の不具合、手術、そして早すぎる死/八年連続のリーディングサイアー/コントレイル が無敗の三冠馬に/喪失と継承/エピローグ〜二〇二一年・春、ノーザンホースパーク

おわりに

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2021年5月29日

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