書評

『持続不可能な財政 再建のための選択肢』(講談社)

  • 2025/03/24
持続不可能な財政 再建のための選択肢 / 河村 小百合,藤井 亮二
持続不可能な財政 再建のための選択肢
  • 著者:河村 小百合,藤井 亮二
  • 出版社:講談社
  • 装丁:新書(288ページ)
  • 発売日:2025-01-23
  • ISBN-10:4065384680
  • ISBN-13:978-4065384688
内容紹介:
私たちが迫られる「究極の選択」現役世代へのツケ回しはもう限界。「破綻」を避けるために何ができるのかそろそろ本当の話をしよう目次第1部 “財政再建から逃げ続ける国”の行き着く先(“… もっと読む
私たちが迫られる「究極の選択」
現役世代へのツケ回しはもう限界。「破綻」を避けるために何ができるのか
そろそろ本当の話をしよう

目次
第1部 “財政再建から逃げ続ける国”の行き着く先(“財政事情は世界最悪”の国が財政破綻せずにこられた理由;「利払費圧縮」の代償は日銀財務の悪化;このまま逃げ続けた果てに待ち受ける事態)
第2部 シミュレーション 日本の財政はどうなるか(内閣府のバラ色の「経済・財政試算」のカラクリ;今後の鍵を握る利払費―問題は新規国債・借換債の発行金利と条件;金利シナリオ・国債の調達パターンごとの利払費を独自試算;高成長による税収増では財政再建できない理由;財政収支均衡を達成できた場合に利払費はどれほど節約できるか)
第3部 聖域なき歳出削減 何をどう減らすのか(医療・介護・少子化対策;年金;地方財政)
第4部 公平・公正な税制と納得できる税負担を考える(日本の税制は公平・公正と言えるのか?;どう負担するのがよいか、どうやったら負担できるのか)
第5部 財政再建アラカルト あなたは何を選びますか?(「30兆円規模」を“極端”と切り捨てるのは“思い上がり”ではないのか;家計・企業部門が大幅な“カネ余り”を長年続け、政府部門に借金を積み上げてきた国 ほか)
とってもまっとうな税金と国家財政の話。全国民の必読書である。

二○二五年度予算の政府案は歳出約一一五兆円。対する税収等は約八六兆円。差額三○兆円は国債(借金)だ。これが毎年溜まって約一○○○兆円。金利が少しでも上がると利払いが増えて予算が組めなくなる。

日本の財政はタイタニック号だ。内閣府の試算だと≪特段の財政再建努力などしなくても…財政運営に…問題はない≫。でもOECDの見通しだと≪悪化の一途≫をたどり、氷山に衝突。どちらが正しいのか?

河村氏は民間研究所の、藤井氏は参議院事務局の経歴が長い財政の専門家。現状に危機感を抱き≪財政収支の黒字化が必要≫と確信する。それには歳出の毎年三○兆円削減!が絶対だ。年金や福祉や教育や医療や…の軒並み圧縮を試算。消費税もせめて欧州並み二○%にすべきだ。

「財政再建」を唱えると、財務省の回し者扱いだ。消費税率下げろの声も絶えない。だがいずれ国債が信用を失い、円安↓高インフレ↓預金封鎖・政府の借金踏み倒し、が不可避だ。国民の預貯金が吹き飛ぶ。アベノミックスとばらまき財政のツケである。この現実を直視しよう。
持続不可能な財政 再建のための選択肢 / 河村 小百合,藤井 亮二
持続不可能な財政 再建のための選択肢
  • 著者:河村 小百合,藤井 亮二
  • 出版社:講談社
  • 装丁:新書(288ページ)
  • 発売日:2025-01-23
  • ISBN-10:4065384680
  • ISBN-13:978-4065384688
内容紹介:
私たちが迫られる「究極の選択」現役世代へのツケ回しはもう限界。「破綻」を避けるために何ができるのかそろそろ本当の話をしよう目次第1部 “財政再建から逃げ続ける国”の行き着く先(“… もっと読む
私たちが迫られる「究極の選択」
現役世代へのツケ回しはもう限界。「破綻」を避けるために何ができるのか
そろそろ本当の話をしよう

目次
第1部 “財政再建から逃げ続ける国”の行き着く先(“財政事情は世界最悪”の国が財政破綻せずにこられた理由;「利払費圧縮」の代償は日銀財務の悪化;このまま逃げ続けた果てに待ち受ける事態)
第2部 シミュレーション 日本の財政はどうなるか(内閣府のバラ色の「経済・財政試算」のカラクリ;今後の鍵を握る利払費―問題は新規国債・借換債の発行金利と条件;金利シナリオ・国債の調達パターンごとの利払費を独自試算;高成長による税収増では財政再建できない理由;財政収支均衡を達成できた場合に利払費はどれほど節約できるか)
第3部 聖域なき歳出削減 何をどう減らすのか(医療・介護・少子化対策;年金;地方財政)
第4部 公平・公正な税制と納得できる税負担を考える(日本の税制は公平・公正と言えるのか?;どう負担するのがよいか、どうやったら負担できるのか)
第5部 財政再建アラカルト あなたは何を選びますか?(「30兆円規模」を“極端”と切り捨てるのは“思い上がり”ではないのか;家計・企業部門が大幅な“カネ余り”を長年続け、政府部門に借金を積み上げてきた国 ほか)

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2025年2月22日

毎日新聞のニュース・情報サイト。事件や話題、経済や政治のニュース、スポーツや芸能、映画などのエンターテインメントの最新ニュースを掲載しています。

  • 週に1度お届けする書評ダイジェスト!
  • 「新しい書評のあり方」を探すALL REVIEWSのファンクラブ
関連記事
橋爪 大三郎の書評/解説/選評
ページトップへ