1973年佐賀県生まれ。大学卒業後、8年間の書店勤務を経てライターに。書評、インタビューを中心に活動中。作家、翻訳家、書評家による座談会形式の読書ガイド『きっとあなたは、あの本が好き。』『世界の8大文学賞』(ともに立東舎)に参加。もっと読む
- 『死体展覧会 (エクス・リブリス)』(白水社)石井 千湖
人が人として扱われない日常謎めいた組織の新入りエージェントになった「私」は、幹部と思われる「彼」に仕事のレクチャーを受ける。「私」に与えら…
書評 - 『人生の段階』(新潮社)石井 千湖
ひとつの悲しみから生まれたもの喜びはアイスクリームのように一瞬で消えてしまうが、悲しみはあまりに堅い。だから人はひとつの悲しみを噛みくだき…
書評 - 『命みじかし恋せよ乙女: 大正恋愛事件簿』(河出書房新社)石井 千湖
大正時代の有名人の恋愛ゴシップを紹介小学生の姪に最近の漫画雑誌を読ませてもらって驚いたことがある。何事にも受け身でうじうじ悩む女の子が主人…
書評 - 『私の名前はルーシー・バートン』(早川書房)石井 千湖
時を経て取り出された記憶田舎から出てきた母が、久しぶりに会った、しかも病身の娘に向かって、次々と誰かの結婚が破綻した話をする。うんざりしそ…
書評 - 『ぼくらが漁師だったころ』(早川書房)石井 千湖
神話的な物語ではあるがナイジェリアの状況も浮かび上がるアフリカ文学って何だろうか。アフリカ大陸には50以上の国があって、文化も多様であり、ひ…
書評 - 『子どもが生まれても夫を憎まずにすむ方法』(太田出版)石井 千湖
あらゆる人間関係の改善に応用できそう1歳の男の子を育てている女性に本書の話をしたら「えっ、そんな方法あるんですか?」と笑いながら訊かれた。…
書評 - 『宮沢賢治の真実 : 修羅を生きた詩人』(新潮社)石井 千湖
知っているつもりだった文豪と未知の世界で再開できる冒険の書『銀河鉄道の夜』をはじめ、教科書でおなじみの宮沢賢治の作品を読んだことがない人は…
書評 - 『もう生まれたくない』(講談社)石井 千湖
一度しかない生をまっとうする意思が伝わってくる「レッドロブスター」で蟹を食べていたら電話がかかってきて、同級生の訃報を知ったことがある。誰…
書評 - 『ヒャッケンマワリ』(白泉社)石井 千湖
内田百閒をぐるぐる回って〈なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う〉という『特別阿房(あほう)列車』の有名な書き出し…
書評 - 『歴メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる』(柏書房)石井 千湖
まず〈メソポタミア風だしを作る〉という一行に目を瞠(みは)った。古代メソポタミアにもだしがあったことに驚き、親近感がわく。本書は紀元前4世紀…
書評 - 『これからお祈りにいきます』(KADOKAWA)石井 千湖
切実で崇高な行為 飄々とした筆致で贔屓のチームの勝敗から天災まで、自分のカではどうにもならないことを目の当たりにすると、信心深くなくても神…
書評 - 『さようなら、オレンジ』(筑摩書房)石井 千湖
言葉が人に伝わるのは奇跡だという前提に立つこと日本人がアフリカから来た難民の視点で、異国暮らしの閉塞感を描く。書き方によっては独善的になっ…
書評 - 『なかなか暮れない夏の夕暮れ』(角川春樹事務所)石井 千湖
50歳、消極的なのに女の出入りが激しいなんて日が暮れるころのことを夕暮れというのだから〈なかなか暮れない〉というのは不思議なタイトルだ。けれ…
書評 - 『絶叫』(光文社)石井 千湖
戦慄と同時に黒い解放感欲ばらなければ、真面目に働けば「普通の生活」ができるなんて幻想は、棄(す)てたほうがいいと思い知らされる。孤独死、女…
書評 - 『くれなゐの紐』(光文社)石井 千湖
少年が少女ギャング団に!?大正末期の浅草で、行方不明の姉を捜す少年が、女装して男子禁制の少女ギャング団に入る。ユニークな設定に引きつけられ…
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