フランス文学者。元明治大学教授。専門は19世紀フランス文学。1949年、横浜市生まれ。1973年東京大学仏文科卒業。1978年同大学大学院人文科学研究科博士課程単位習得満期退学。元明治大学国際日本学部教授。『職業別パリ風俗』で読売文学賞評論・伝記賞を受賞するなど数多くの受賞歴がある。膨大な古書コレクションを有…もっと読む
- 『不均衡という病 〔フランスの変容 1980-2010〕』(藤原書店)鹿島 茂
フランスを家族類型の人口統計で分析本書は家族人類学者エマニュエル・トッドと人口統計学者エルヴェ・ル・ブラーズが共同で市町村の統計に基づいた…
書評 - 『ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく』(ダイヤモンド社)鹿島 茂
獄中生活がもたらした「共生」へのパンセ二〇〇六年一月、時代の寵児(ちょうじ)だった著者は東京地検特捜部に証券取引法違反で逮捕され、懲役二年…
書評 - 『赤い橋の殺人』(光文社)鹿島 茂
忘却の淵から訳者に発掘された稀覯本雑誌『ふらんす』(白水社)には「さえら」と題するページがあり、その月に刊行されたフランス関連書を網羅して…
書評 - 『二・二六事件と青年将校 (敗者の日本史)』(吉川弘文館)鹿島 茂
「流言蜚語」的歴史叙述を退かせる試み二・二六事件の鎮圧部隊(近衛歩兵第二連隊)の一兵士だった父親(存命なら今年百歳)からよく聞かされたので…
書評 - 『とこしえのお嬢さん: 記憶のなかの人』(平凡社)鹿島 茂
「人間」と出会えるポルトレパスカルは『パンセ』でこんなことを言っている。「自然な文体に出会うと、人はすっかり驚いて、夢中になる。なぜなら、…
書評 - 『フランソワ一世 フランス・ルネサンスの王』(国書刊行会)鹿島 茂
芸術愛し、人々を明るくさせた功績今年はフランス・ヴァロワ朝のフランソワ一世が統治を開始した一五一五年から数えて五〇〇年に当たる。この王の御…
書評 - 『民俗学・台湾・国際連盟 柳田國男と新渡戸稲造』(講談社)鹿島 茂
「植民地の経営」が重要な媒介項に『武士道』の著者である新渡戸稲造と民俗学の開祖・柳田國男。この二人の関係については、国際連盟事務次長・新渡…
書評 - 『街角の遺物・遺構から見たパリ歴史図鑑』(原書房)鹿島 茂
街の魅力かたちづくる「多層性」パリの本質をひとことで言ったら多層性ということになるだろう。人種、言語、モード、美食など、あらゆるものの記憶…
書評 - 『鴎外の坂』(新潮社)鹿島 茂
鴎外が鮮やかにたちあらわれてくる全編、感嘆おくあたわずという言葉はこういう本のためにこそあるのかもしれない。もとより、著者が当代一の文章家…
書評 - 『横尾忠則自伝―「私」という物語1960‐1984』(文藝春秋)鹿島 茂
比類ないほど面白いエピソードの数々不思議な感触の自伝である。なぜなら描かれているのは著者自身で、描いているのも著者自身であるはずなのに、こ…
書評 - 『入門フリーメイスン全史―偏見と真実』(アムアソシエイツ)鹿島 茂
石工の団体が「異端」とされるまでフリーメイスンというと「陰謀」という言葉がかえってくるくらい、陰謀史観はフリーメイスンが好きだが、「そのあ…
書評 - 『クリミア戦争』(白水社)鹿島 茂
決定的役割演じた国民世論クリミア戦争は「近代戦の最初の例」であり、戦死者は両軍合わせて七十五万人に及ぶ。ナイチンゲール登場のエピソードでも…
書評 - 『博士の異常な健康』(アスペクト)鹿島 茂
レトリカルで科学的な「お笑い」三島由紀夫はかつて、内田百閒を論じた文章で、「泣かせる」「笑わせる」「怖がらせる」のうち、一番簡単なのが「泣…
書評 - 『哀歌』(新潮社)鹿島 茂
人間の苦悩と悲しみ描く渾身の作小説にまだこれだけの力が残されていたのかと実感させる渾身の力作である。世界の情勢に疎い日本人でも、ルワンダの…
書評 - 『白水社ラルース仏和辞典』(白水社)鹿島 茂
かゆい所に手が届く画期的辞書中村うさぎさんの『パリのトイレでシルブプレ~~!』(角川文庫)を読んでいたらこんな話が出ていた。パリで腹をこわ…
書評 - 『ルー・アンドレーアス=ザロメ 自分を駆け抜けていった女』(アルク出版企画)鹿島 茂
「考えること」望んだファム・ファタルルー・ザロメについてはリリアーナ・カヴァーニ監督、ドミニック・サンド主演の「ルー・サロメ 善悪の彼岸」…
書評 - 『おぱらばん』(青土社)鹿島 茂
極上の葡萄酒のような味わいラーメン・ライスというものがある。私はどうもこの食べ方が気にくわなかった。ライスを添えたら、ラーメンがライスのお…
書評 - 『明治大正 翻訳ワンダーランド』(新潮社)鹿島 茂
名作を生み日本語を変えた創意工夫故河盛好蔵氏は、常々「女性は翻訳に向いている、だから、私は女性の翻訳家を育てたい」とおっしゃっていたが、た…
書評 - 『ブルデュー 闘う知識人』(講談社)鹿島 茂
日本定着に「役に立つ」本フランスの現代思想はフーコーにしろ、デリダにしろ、ドゥルーズにしろ難解極まりないものばかりだ。社会学の巨星と呼ばれ…
書評 - 『幻想の地誌学―空想旅行文学渉猟』(筑摩書房)鹿島 茂
面白くてためになる幻想地誌学の誕生フィクションというのは、その定義からしてすべて空想の産物のはずである。いわんや、幻想文学においてをや。だ…
解説