言葉の沃野へ―書評集成〈上〉日本篇
- 著者:吉本 隆明
- 出版社:中央公論社
- 装丁:文庫(387ページ)
- ISBN-10:412202580X
- ISBN-13:978-4122025806
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この人間たちの吹きだまりには
蓮の花も咲きはせぬ
この人間たちの吹きだまりには
毒のをんなが咲くばかり
おまえの歩く そのとおりにGoin' Down
街はいくらでも おちぶれるやり方の見本市
ふたりで同じ ひとつ穴のむじな
腐れ縁と呼ばれたかったわ 地獄まで落ちても (「テキーラを飲みほして」)
煙草をください あの人に見せたいから
煙草をください わざとすってみせるから
みつめてください 噂がうまれるように
私が本当は 移り気に見えるように
踊りの輪の中には あなたとあの娘
溶けあうように
いま煙草の煙が 途切れたすきにわかってしまう (「煙草」)
ゆき先なんて どこにもないわ
ひと晩じゅう 町の中 走りまわっておくれよ
ばかやろうと あいつをけなす声が途切れて
眠ったら そこいらに捨てていっていいよ (「タクシー・ドライバー」)
いじめっ小僧はいつも一人きりで遊ぶのが嫌い
昼寝犬に石をぶつけて 吠えたてられても
シーサイド・コーポラス 小ねずみ駆け抜ける
港はいつも魚の脂の匂い (「シーサイド・コーポラス」)