「ほんま私頭悪いから」「どうして一生懸命やらないの」「人として下だよね」
「いじってあげてるだけじゃん」「事実を述べて何が悪いんですか」
これらは悪口だろうか? どこが悪いか説明できるだろうか?
悪口はなぜ悪いのかを問われたとき、シンプルに「人を傷つけるから」といった理由が思い浮かぶかもしれない。たしかに子どものころに「そんなこと言われたら傷つくでしょ」といって、悪口をたしなめられたことがあるだろう。ただしそれでは悪口の悪さをうまく説明できていない。たとえば、恋人からの別れのことばで傷ついてしまうかもしれないが、それはもちろん悪口ではない。
□悪口とは何か?
□悪口と軽口や冗談は何が違うのだろうか?
□まっとうな批判とは何が違うのだろうか?
□どうして「タコ」とか「ザコ」とか他の生き物を指すことばで悪口を言うのだろうか?
□どうして悪口を言うのは楽しいのだろうか?
□悪口はなくならないのだろうか?
こうした問いに答え、悪口を通じて人間の本質に迫る。