岸本 葉子YOKO KISHIMOTO
公式サイト: http://kishimotoyoko.jp/
エッセイスト。1961年神奈川県生まれ。東京大学教養学部卒。日常生活や旅、本を題材にエッセイを執筆。著書は『がんから始まる』(文春分庫)『ちょっと早めの老い支度』(角川文庫)『週末介護』(晶文社)『俳句、やめられません 季節の言葉と暮らす幸せ』(小学館)『50代からしたくなるコト、なくていいモノ』(中央…もっと読む
昔「国語」の時間があった南の島を旅していて、日本ではもう五十年も昔にすたれたような、歌を知っている老人に出くわす。(ああ、日本はこんなとこ…
返信のない手紙まじめでやさしそうなお姉さん、というのが、中学の頃、テレビの「連想ゲーム」で檀ふみさんを見たときの第一印象。実は私とそう年は…
島が好き島がある。そう考えるだけで、腰のあたりがうずうずし、「こうしちゃいられない」気持ちになる人がいる。二十代の私も、そうだった。天気予…
その日暮らしという生き方「はまり組」とでもいうべき男たちが、マニラにはいるそうな。フィリピーナのとりことなり、マニラまで追いかけて、そのま…
がん患者となって分厚い本だ。でも、できれば最初から通して、読み遂げていってほしいと、読者に呼びかける。『がん患者学』(柳原和子著・晶文社)…
お札いろいろお札は紙である。原価にすれば、安いもの、一万円札でも、印刷代を含めたところで、いくらにもならないのだろう。それをただの紙とは思…
時を超えた対話「らしくない」本だ。朝比奈あすか著『光さす故郷へ』(マガジンハウス)。著者の大伯母が、満州(現在の中国東北部)からの引揚者と…
骨董とモノの間「骨董」ではないという。奇をてらってつけた題ではなさそうだ。収めてある品々からもわかる。友人のひいおばあさんが孫にあてた書、…
夢は音楽家中学一年のとき、同級生に音楽好きの男子がいた。バッハに凝っているらしく、下敷きに、ふつうならアイドル歌手の写真でも差し挟むだろう…
海外温泉事情たっぷりとした湯につかり、思うぞんぶん手足を伸ばす。このときほど、「ああ、日本人だなあ」と実感することはない。シャワーの国の人…
スシ、寿司、SUSHI旅の出発点はひらめきだ。この本を読むと実感する。海外で回転スシの店が続々オープン。新聞の面白ネタとして読み過ごしそうな記…
デジタルなお茶「インターネットでお茶を愉しむ」とサブタイトルにある。むむむ? デジタル系と佗び寂び系、現代ふうと昔ふう。ネット上の交流と、…
お湯につかって温泉については、前は「おじいさんおばあさんが行くもの」とのイメージを持っていたが、社会人になってから、「あー、温泉に行きたい…
私のマンション、だいじょうぶ?テレビをつければ、どこぞのマンションのコンクリートが落下したとか、ベランダにひびが入り住人と販売会社との間で…
母だからできること北村薫さんの女子大生「私」を主人公とする推理小説は、多くのファンを持っている。私もそのひとりである。勉強家で男の子みたい…
三十過ぎたら楽しくなった三十代最後の年は、出版点数がいつになく多かった。別に執筆ペースが上がったわけではなく、前々から書きためていた原稿を…
再婚もいいかも知れない三十歳を過ぎた頃、まわりは離婚ラッシュだった。元同級生や仕事で関わりのある人たちの誰それが別れたとの噂が、次々流れ、…
出会いのチャンス古今東西を問わず、理想の男性をひとり挙げよと言われたら、迷わず川路聖謨(かわじとしあきら)と答える。幕末に勘定奉行を勤め、…
玉の輿も楽じゃない舞踏会。わくわくする響きではありませんか。私たちのほとんどは、舞踏会なんて出たことがない、いえ、一生、ファーストステップ…
あとがきにかえて――読書の「うまみ」(単行本版あとがき)タナボタ、と日本人の好きな四文字に略されることまであるように、「棚からボタ餅」は広く…