前書き
『魔法使いたちの料理帳』(原書房)
こんな本、見たことない。
誰もが知っているファンタジーに登場する謎の料理100点のレシピをカラー写真付きで公開する本が注目されている。
『アラジンと魔法のランプ』から『美女と野獣』『白雪姫』、『魔術師マーリン』に『ハリー・ポッター』まで、古今のファンタジー作品に出てくるごちそうを、家庭でも〝ちゃんと作れる〟という。まさに「読んで見て食べるファンタジー」。
著者の前書きを読め!
ある友人がお菓子をもぐもぐと頬張りながら、「これってメアリー・ポピンズの好物だったんだよね」とつぶやいた。
すると別の友人は「指輪物語のガンダルフはコーディアルを飲んで元気を出したんだ」と言いだし、また別の友人は「ナルニアの白い魔女はターキッシュデライトを作るのが上手だったんだよ」と述べた。
この時の会話がわたしの好奇心に火をつけ、ある疑問にとりつかれるようになった。
魔法使いや魔女たちは、呪文をとなえたり、世界を救ったり、悪事を企てたりしている以外は、いったい何を食べて生活しているんだろう?
わたしはさっそく調査にとりかかり、やがてその作業に熱中した。
埃をかぶっていた魔術書の山に果敢に挑み、書棚から書棚へと何キロも歩きまわり、膨大な時間をかけて映画やテレビ番組を鑑賞し、魔術師、魔女、妖霊、妖精たちがどういうごちそうを食べ、どういうお菓子を好んだかを探り、秘伝の調理法を調べあげた。
そうしたレシピは、各地の食文化から着想を得たものもあったが、ほとんどがオリジナルの創作料理だった。本書では、こうしてわたしが調べた、魔法の世界の住人たちのレシピを紹介する。
3000年前の古代バビロンに生きたバーティミアスにはじまり、遠い宇宙の星を支配する魔女シルセ(宇宙伝説ユリシーズ31)、かの有名なハリー・ポッター、『夏の夜の夢』のパック、都会に生きる魔法使い(『パリ・デ・メルヴェイユ』のルイ・ドゥニザール・イポリット・グリフォンとイザベル・ド・サン・ジル)、野山に暮らす魔法使い(ウィロー)、おとぎ話の登場人物(雪の女王や白雪姫)、現代のスーパーヒーロー(ドクター・ストレンジ)、コンピューターゲームのキャラクター(ワールド・オブ・ウォークラフト)、そして映画やテレビでおなじみの登場人物たち。
彼らが食べたり飲んだりしていたものをぜひ皆さんにも味わってもらいたい。
本書は4つの章で構成されている。
第1章では魔法使いの家庭料理を紹介する。現代の魔法使いが常備する食材で簡単につくれて、家族や友人と一緒に日常的に食べられているものばかりだ。
第2章は魔法使いのパーティー料理。老若男女の魔法使いたちが集う祝宴のためのごちそうだ。
第3章は魔法のスイーツ、デザートや甘いおやつのレシピだ。実は魔術とスイーツは太古の昔から切っても切れない関係にある。
そして第4章は魔法薬。魔法使いや魔女がさまざまな目的で使用するポーションやフィルターの調合法を教えよう。
さあ、読者の皆さん、本書で紹介する料理をたっぷり味わい、それらの料理を生んだ素晴らしい物語を楽しもう!
魔法のステッキと大鍋の準備はできたかな?
あ、それから、この言葉をとなえるのを忘れないように。
「魔法を信じない者は、それを見つけることもない」ロアルド・ダール
[書き手]オーレリア・ボーポミエ
元フランス国立科学研究センター図書館員。料理愛好家。著書に「ハリー・ポッファー――魔術師ではなく魔法使いのための非公認料理マニュアル」がある。
誰もが知っているファンタジーに登場する謎の料理100点のレシピをカラー写真付きで公開する本が注目されている。
『アラジンと魔法のランプ』から『美女と野獣』『白雪姫』、『魔術師マーリン』に『ハリー・ポッター』まで、古今のファンタジー作品に出てくるごちそうを、家庭でも〝ちゃんと作れる〟という。まさに「読んで見て食べるファンタジー」。
著者の前書きを読め!
魔法使いは、いったい何を食べて生活しているんだろう?
きっかけは、仲間同士のおしゃべりだった。ある友人がお菓子をもぐもぐと頬張りながら、「これってメアリー・ポピンズの好物だったんだよね」とつぶやいた。
すると別の友人は「指輪物語のガンダルフはコーディアルを飲んで元気を出したんだ」と言いだし、また別の友人は「ナルニアの白い魔女はターキッシュデライトを作るのが上手だったんだよ」と述べた。
この時の会話がわたしの好奇心に火をつけ、ある疑問にとりつかれるようになった。
魔法使いや魔女たちは、呪文をとなえたり、世界を救ったり、悪事を企てたりしている以外は、いったい何を食べて生活しているんだろう?
わたしはさっそく調査にとりかかり、やがてその作業に熱中した。
埃をかぶっていた魔術書の山に果敢に挑み、書棚から書棚へと何キロも歩きまわり、膨大な時間をかけて映画やテレビ番組を鑑賞し、魔術師、魔女、妖霊、妖精たちがどういうごちそうを食べ、どういうお菓子を好んだかを探り、秘伝の調理法を調べあげた。
そうしたレシピは、各地の食文化から着想を得たものもあったが、ほとんどがオリジナルの創作料理だった。本書では、こうしてわたしが調べた、魔法の世界の住人たちのレシピを紹介する。
3000年前の古代バビロンに生きたバーティミアスにはじまり、遠い宇宙の星を支配する魔女シルセ(宇宙伝説ユリシーズ31)、かの有名なハリー・ポッター、『夏の夜の夢』のパック、都会に生きる魔法使い(『パリ・デ・メルヴェイユ』のルイ・ドゥニザール・イポリット・グリフォンとイザベル・ド・サン・ジル)、野山に暮らす魔法使い(ウィロー)、おとぎ話の登場人物(雪の女王や白雪姫)、現代のスーパーヒーロー(ドクター・ストレンジ)、コンピューターゲームのキャラクター(ワールド・オブ・ウォークラフト)、そして映画やテレビでおなじみの登場人物たち。
彼らが食べたり飲んだりしていたものをぜひ皆さんにも味わってもらいたい。
本書は4つの章で構成されている。
第1章では魔法使いの家庭料理を紹介する。現代の魔法使いが常備する食材で簡単につくれて、家族や友人と一緒に日常的に食べられているものばかりだ。
第2章は魔法使いのパーティー料理。老若男女の魔法使いたちが集う祝宴のためのごちそうだ。
第3章は魔法のスイーツ、デザートや甘いおやつのレシピだ。実は魔術とスイーツは太古の昔から切っても切れない関係にある。
そして第4章は魔法薬。魔法使いや魔女がさまざまな目的で使用するポーションやフィルターの調合法を教えよう。
さあ、読者の皆さん、本書で紹介する料理をたっぷり味わい、それらの料理を生んだ素晴らしい物語を楽しもう!
魔法のステッキと大鍋の準備はできたかな?
あ、それから、この言葉をとなえるのを忘れないように。
「魔法を信じない者は、それを見つけることもない」ロアルド・ダール
[書き手]オーレリア・ボーポミエ
元フランス国立科学研究センター図書館員。料理愛好家。著書に「ハリー・ポッファー――魔術師ではなく魔法使いのための非公認料理マニュアル」がある。
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