書評
『I Love Rinka Style』(宝島社)
梨花の人気は“センス”が理由?
最近、雑誌というと、「売れない」とか「また休刊」といった、暗いニュースが多い。しかしすべての雑誌が売れないわけではない。なかには1000000部を突破する景気のいい雑誌もある。「sweet(スウィート)」(宝島社)のように(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2011年)。そして、同誌が部数を大きく伸ばす原動力になったのではないかといわれるのが梨花である。「りんか」と読む。ファッションモデルでタレント。彼女が表紙に出ると売れ行きがいいらしい。
1973年生まれで、芸歴(というのだろうか)は20年。ベテランである。若い女性からの支持が強いらしい。
「らしい」が続くのは、初老のおっさんである私には、梨花の魅力が今ひとつよくわからないからだ。彼女より美しい顔の人はいるし、彼女よりスタイルのいい人もいる。世界的に活躍している日本人モデルはほかにもいる。でも若い女性は梨花が好きなのだ。
『I Love Rinka Style』は、梨花のスナップ写真集である。つまりこの本の中で彼女が着用しているのは、スタイリストが撮影用に用意した服ではなく、彼女が好きで選んだ私服が中心だ。そして、この私服がなかなかいい。顔やスタイルではなく、彼女のセンスが愛される理由なのだと思う。
「“大人可愛いカルチャー”を構築した第一人者的な存在」(栗田宣義武蔵大学教授)、「(流行について)ちょっとだけ気づくとかキャッチするタイミングが読者の人よりも早い」(ヘアメイクアップアーティスト濱田マサル)と本書に寄稿するその道のプロは評価・分析している。「大人可愛い」というのは、40代でも「女子」といっちゃったりするのと関係あるのか。
なお、本書と前後して発売された『Rinka’s Only Days』(SDP刊)は、大きなお腹の梨花が表紙。こちらの本では結婚と妊娠を語り、妊娠中のコーディネーションなども紹介している。
報道によると、11月18日、3090グラムの男児を無事出産とのこと。おめでとうございます。