書評

『〆切本2』(左右社)

  • 2024/08/31
〆切本2 / 左右社編集部編
〆切本2
  • 著者:左右社編集部編
  • 出版社:左右社
  • 装丁:単行本(392ページ)
  • 発売日:2017-10-07
  • ISBN-10:4865281770
  • ISBN-13:978-4865281774
内容紹介:
〆切を逃れて名古屋の愛知県内のホテルに身をかくす野坂昭如、急襲を悟られまいと東京から深夜タクシーを飛ばす編集者、怒りでペーパーナイフをソファーに刺す編集長――。追い詰められて「… もっと読む
〆切を逃れて名古屋の愛知県内のホテルに身をかくす野坂昭如、
急襲を悟られまいと東京から深夜タクシーを飛ばす編集者、
怒りでペーパーナイフをソファーに刺す編集長――。

追い詰められて「俺は、樹になりたい」と思う源氏鶏太や
「頭の工合よろしからず」を連発する二葉亭四迷、
「本当にやる。やると云ったらやる。今夜は寝る」と書く山本周五郎など、
笑いと涙と言い訳の〆切ドラマ80編。

-- やっぱりサラリーマンのままでいればよかったなア」
あの怪物がかえってきた! 作家と〆切のアンソロジー待望の第2弾。
非情なる編集者の催促、絶え間ない臀部の痛み、よぎる幻覚と、
猛猿からの攻撃をくぐり抜け〆切と戦った先に、待っているはずの家族は仏か鬼か。
バルザックから川上未映子まで、それでも筆を執り続ける作家たちによる、
勇気と慟哭の80篇。
今回は前回より遅い…

まだ続く、達人たちの言い訳

作家たちが迫りくる〆切を前にして(あるいは過ぎて)苦しみ抜いた果てに放った言葉を集めた『〆切本』。大きな話題を呼んだが、本書はその続編。柳の下にドジョウは……いた!

バルザックやドストエフスキー、向田邦子、川上未映子まで。さすが文章の達人たちは、自分の書けない言い訳も気が利いている。弁明に費やす時間があるなら、原稿を書けばいいじゃないかと思うのは素人で、本業以外の原稿はスラスラ書けるのである。

命を削った文章ではない。その分、おかしい。サラリーマン小説を多く残した源氏鶏太が「俺は、樹になりたい」と〆切との苦闘をユーモラスに語った一文に、今回は唸った。笑った。
〆切本2 / 左右社編集部編
〆切本2
  • 著者:左右社編集部編
  • 出版社:左右社
  • 装丁:単行本(392ページ)
  • 発売日:2017-10-07
  • ISBN-10:4865281770
  • ISBN-13:978-4865281774
内容紹介:
〆切を逃れて名古屋の愛知県内のホテルに身をかくす野坂昭如、急襲を悟られまいと東京から深夜タクシーを飛ばす編集者、怒りでペーパーナイフをソファーに刺す編集長――。追い詰められて「… もっと読む
〆切を逃れて名古屋の愛知県内のホテルに身をかくす野坂昭如、
急襲を悟られまいと東京から深夜タクシーを飛ばす編集者、
怒りでペーパーナイフをソファーに刺す編集長――。

追い詰められて「俺は、樹になりたい」と思う源氏鶏太や
「頭の工合よろしからず」を連発する二葉亭四迷、
「本当にやる。やると云ったらやる。今夜は寝る」と書く山本周五郎など、
笑いと涙と言い訳の〆切ドラマ80編。

-- やっぱりサラリーマンのままでいればよかったなア」
あの怪物がかえってきた! 作家と〆切のアンソロジー待望の第2弾。
非情なる編集者の催促、絶え間ない臀部の痛み、よぎる幻覚と、
猛猿からの攻撃をくぐり抜け〆切と戦った先に、待っているはずの家族は仏か鬼か。
バルザックから川上未映子まで、それでも筆を執り続ける作家たちによる、
勇気と慟哭の80篇。
今回は前回より遅い…

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2017年11月2日

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