1961年高知生まれ。書評家・SF翻訳家・SFアンソロジスト。著書に『21世紀SF1000』、『新編・SF翻訳講座』、《文学賞メッタ斬り!》シリーズ(豊崎由美と共著)、《読むのが怖い!》シリーズ(北上次郎と共著)など。アンソロジーに《NOVA 書き下ろし日本SFコレクション》、《不思議の扉》の各シリーズのほか、『星雲賞S…もっと読む
- 『幼年期の終わり』(光文社)大森 望
地球を支配する異星人「大学読書人大賞」という賞をご存じでしょうか。これは、全国の大学文芸サークル所属メンバーによる投票と評論(推薦文)と議…
書評 - 『愛はさだめ、さだめは死』(早川書房)大森 望
秘密の遊び場短編SFの名手と言えば、1968年に彗星(すいせい)のごとくデビューし(同時に書いていた4編を投稿したところすべて採用されたので、ど…
書評 - 『不思議のひと触れ』(河出書房新社)大森 望
”すこしふしぎ”の魔法きのう紹介したケン・リュウ「紙の動物園」のような、(藤子・F・不二雄が命名した)“すこしふしぎ”系の短編は、往年のアメリ…
書評 - 『紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1)』(早川書房)大森 望
二つの祖国『火花』の刷り部数がついに209万部に達したとかで、又吉フィーバーはますます過熱。6ページのエッセイが載るだけで掲載誌の「文學界」が…
書評 - 『そばかすのフィギュア』(早川書房)大森 望
模型の新しい心ワンフェス(ワンダーフェスティバル)は、模型版のコミケ(コミックマーケット)とも言うべきオタクの祭典。同じファン創作物でも、…
書評 - 『マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕』(早川書房)大森 望
圧巻のカジノ場面冲方丁と言えば、本屋大賞受賞のミリオンセラー『天地明察』以来、世間的にはすっかり時代小説の人ですが、もともとは角川スニーカ…
書評 - 『銀河英雄伝説 1 黎明編』(東京創元社)大森 望
宇宙版三国志の興奮日本の宇宙戦争SF(またはミリタリー・スペースオペラ)と言えば、いちばんの大物は田中芳樹『銀河英雄伝説』(以下『銀英伝』)…
書評 - 『星界の紋章〈1〉帝国の王女』(早川書房)大森 望
絢爛たる宇宙戦争旧ハヤカワ・SFコンテスト最後の入選者は、第17回(1991年)の2人。言語を脳に移植することが可能になった未来を描く「夢の樹が接…
書評 - 『戦闘妖精・雪風(改)』(早川書房)大森 望
異質な知性との戦いきのう紹介した野阿梓が入選第1席を射止めた第5回ハヤカワ・SFコンテスト(1979年)で佳作に選ばれたのが、神林長平「狐と踊れ」…
書評 - 『兇天使』(早川書房)大森 望
時空を超える天使行2012年に長編賞としてリニューアル再開された「ハヤカワSFコンテスト」は、今年で第3回を迎える(ALL REVIEWS事務局注:本書評執…
書評 - 『消滅の光輪』(東京創元社)大森 望
”司政官”の悲哀きのう紹介したTOKON7(1980年の日本SF大会)の仮装企画で、あとひとつ、大ウケだった一発芸はこんなの。前輪だけしかない自転車を押…
書評 - 『闇の左手』(早川書房)大森 望
両性具有社会毎年夏になると、SF界最大のお祭り、日本SF大会が47都道府県のどこかで開催される。54回目を迎える今年の会場は鳥取県米子市なので、愛…
書評 - 『皆勤の徒』(東京創元社)大森 望
日本SFの極北ブライアン・W・オールディス『地球の長い午後』や貴志祐介『新世界より』に描かれる遠未来は、変貌しているといっても人類が出てくる…
書評 - 『地球の長い午後』(早川書房)大森 望
植物が支配する未来奇怪な動植物が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する未来--この魅惑的なイメージに関するかぎり、当欄で紹介した2作、貴志祐介…
書評 - 『新世界より』(講談社)大森 望
呪力が支配する未来きのう紹介した上田早夕里『華竜の宮』と同じく、大きく変貌した遠未来の日本を描くのが、TVアニメ化もされた貴志祐介のベストセ…
書評 - 『華竜の宮』(早川書房)大森 望
水没する世界日本SF史上最大のベストセラーと言えば、もちろん、小松左京『日本沈没』(1973年)。光文社カッパ・ノベルスで上下巻合計385万部を売…
書評 - 『ブラックライダー』(新潮社)大森 望
超弩級の黙示録SF又吉直樹の受賞に沸く芥川賞ですが(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2015年7月)、直木賞は東山彰良(あきら)の『流(りゅ…
書評 - 『スローターハウス5』(早川書房)大森 望
そういうものだきのう紹介したテッド・チャンの短編「あなたの人生の物語」の異星人ヘプタポッドには、実は、先輩格にあたる存在がいる。カート・ヴ…
書評 - 『あなたの人生の物語』(早川書房)大森 望
SFが描く人生死をモチーフにしたSFがあれば、当然、SFならではの方法で“生”を描く作品もある。当代最高の短編SFの書き手、テッド・チャンの「あなた…
書評 - 『ユービック』(早川書房)大森 望
”半生者”との対話デジタル化ではなく、もっと古典的な方法で死を克服(もしくは先延ばし)するSFもある。フィリップ・K・ディックが作家歴の中期に…
書評