谷川 渥ATSUSHI TANIGAWA
公式サイト: http://eccehomo.jugem.jp/
美学者。1972年、東京大学文学部美学芸術学科卒業。78年、東京大学大学院人文科学研究科美学芸術学専攻博士課程修了。マニエリスム・バロックからモダニズム・現代美術にいたる広範な領域を視野に収め、美学原理論、芸術時間論、廃墟論、だまし絵論、シュルレアリスム論、そして「芸術の皮膚論」など、独自の視点による美…もっと読む
フランセス・イエイツといえば、すでに『記憶術』、『世界劇場』、『薔薇十字の覚醒』、『魔術的ルネサンス』などの邦訳を通して、その〈魔術〉を中…
ヨーハン・ヴァレンティン・アンドレーエの『化学の結婚』が先に邦訳刊行されたばかりだが(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は1994年)、今度は…
先に邦訳されたウンベルト・エーコの『フーコーの振り子』をお読みになった方は、各章のはじめにヨハン・ヴァレンティン・アンドレーエの『化学の結…
バルトシャイティス著作集の最終巻、『鏡――科学的伝説についての試論』をお届けする。第三巻『イシス探求』からほぼ二年の間隔をおいての刊行である…
まことに驚くべき書物が出たものである。サルバドール・ダリの言動の奇矯さについては、あまねく知られていることだろうが、その「贋作(がんさく)」…
「情緒論粗描」(一九三九年)以来のサルトルの絶えざる精神分析批判を知る者なら、その彼がフロイトを主人公とする映画シナリオを書いていたという…
いったい『海』というような単純にして広漠たるタイトルで、いま誰が本を書くことができるだろう。海だって? 海の何を問題にしているのだ? そうし…
ふだんさまざまな若い人たちに接していて痛感するのは、彼らがほとんどサルトルを読まなくなったということだ。実存主義という言葉もその内実も知ら…
ベルクソンはかつて「哲学的直観」なる論文(一九一一年)において、哲学者の根源的直観に限りなく近接し、しかもそれを翻訳しているイマージユなる…
『フーコーの振り子』は、小説というものが徹頭徹尾「構想力」の産物であること、あるいはそうあるべきことを思い知らせてくれる気宇壮大な傑作であ…
処女作『ヒステリーの発明』(一九八二年)が『アウラ・ヒステリカ』のタイトルで一九九〇年に邦訳されて以来、著者ディディ=ユベルマンの名は、あ…
ジャコメッティは不思議な彫刻家である。あくまでも人間に、人体にこだわるかぎりにおいて古典的性格を示しながら、同時に古典彫刻の本質であるマッ…
驚くべき書物である。もっとも古いもので一九四〇年の、もっとも新しいもので一九七四年の日付をもつ、都合三十七篇のエッセーから構成される七百ペ…