紀田 順一郎JUNICHIRO KIDA
公式サイト: http://plus.harenet.ne.jp/~kida/
本名佐藤俊。1935年生まれ。評論家、作家。書誌学、メデイア論を専攻し、書物をテーマとした推理小説も手がける。2006-12年、神奈川近代文学館館長をつとめた。(主な著書)『20世紀を騒がせた本』(1993、新潮社)、『日本の書物』(1994、筑摩書房)『日記の虚実』(1995、筑摩書房)、『日本語大博物館』(1994、ジャス…もっと読む
全三冊は好適な規模 辞書作りのノウハウを最高度に発揮愛用する『日本国語大辞典』(第二版)の縮約版ともいうべきものが出て、まず期待感を抱きな…
荒俣博物学の原点いつも思うのだが、退屈したときには水族館に行くがよい。五百羅漢のどれかに死者の面影が彷彿されるように、水槽の魚には生きた人…
日記から見た日本人論日本人ほど日記を好む民族はない。日本文化研究者としてのドナルド・キーンはこの点に着目し、日記による日本人論を構築した。…
一過性でない書物文化語る古書店めぐりをテーマとしたエッセーが流行しているが、その中でも本書は題名通り関西が舞台であることに加え、詩や、小説…
南方熊楠の人間像に迫る南方熊楠の生涯を描いたノンフィクションで伝記文学の傑作である。とにかく熊楠という人物が躍動している。和歌山弁で自在に…
民衆像の映す新世紀の課題二十世紀は「民衆」の時代だが、その民衆をいかにとらえるかで、多くの思想や学説や運動が試行錯誤を繰り返した。現在の時…
創作・政治と結びつく歴史ガリ版は既に若い世代には馴染みが薄いものだろうが、中年以上の日本人にとっては、懐かしくも重要な思い出の一部である。…
日本語の"縁の下"を覗く高校生のころ、「雑木林」ということばは国木田独歩によってつくられたとか、「含羞」ということばは太宰治が考え…
〈読書国民〉の誕生戦前の雑誌やロ絵などには、読書する人々の姿が頻繁に登場し、「緑陰読書号」などと銘打たれていたものだが、そのもとは明治三十…
「草を褥(しとね)に木の根を枕、花と恋して九十年」などと、自らをざれ歌に表現した牧野富太郎は、まさに植物学研究のためにこの世に生まれたよう…
精力的な取材で出版界の危機をルポ長引く不況で建設や流通業界の危機がとり沙汰されているが、それ以上の危機にさらされているのが出版業界だ。昨年…
構造的な矛盾 今も酷似日本が戦争への道を歩んでいた一九三三年(昭和八年)、ドイツの一新聞記者として来日したリヒャルト・ゾルゲは、当時のソビ…
遊ぶ精神の変遷利用する権力日本人の遊びといえば、古くは双六(すごろく)や百人一首、蹴鞠(けまり)や流鏑馬(やぶさめ)など、みやびな遊びが念…
現代社会の矛盾を見事に映し出す、とびきり衣食の科学読物とびきり異色の、感銘深い科学読物である。テーマとしては、金沢城址の池に棲息する何百匹…
競わない遊びから進化した競争人間は遊ぶ動物であるという説もあるように、子どもの遊戯をはじめ、野球やサッカーなどのスポーツ、ギャンブル、さら…