1968年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。書評家。書評・評論書の著書に『読み出したら止まらない! 海外ミステリーマストリード100』(日経文芸文庫)、『路地裏の迷宮踏査』(東京創元社)、『スギエ×フジタのマルマル読書』(幻冬舎plus+。藤田香織との共著)など。演芸関係の共著として『桃月庵白酒と落語十三夜…もっと読む
- 『笑い犬』(講談社)杉江 松恋
会社に裏切られた“負け犬男”が絶望のどん底から挑む“大逆襲”乙石銀行中野坂上支店長の芳賀陽太郎は、懲役二年の実刑判決を受けて塀の向こうへ落ちた…
書評 - 『耳をふさいで夜を走る』(徳間書店)杉江 松恋
男の目的は三人の女たちを確実に殺し さらに絶対に捕まらないことーー驚嘆の殺人計画が静寂の闇を切り裂く岸田麻理江、楠木幸、谷田部仁美。並木直…
書評 - 『血戦 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京2』(講談社)杉江 松恋
代議士の椅子を巡り同族内に生じた反目 権力の頂点を目指す白熱の選挙戦が疾走!!人間がおのれの欲望を剥き出しにして争う現場など、なかなかお目に…
書評 - 『インビジブルレイン』(光文社)杉江 松恋
従来の強いタイプとは一味違った心弱さもあわせもつ女性刑事がひたむきに闘う愛おしさ東京・東中野のマンションで惨殺死体が発見された。殺された小…
書評 - 『悲嘆の門』(新潮社)杉江 松恋
街に起きる小さな異変が猟奇殺人と絡み合う。稀代の作家の魅力がすべて詰まった大長篇宮部みゆきの小説を読むと、一ページ、いや、一行目からもう動…
書評 - 『或るろくでなしの死』(KADOKAWA/角川書店)杉江 松恋
俗情と詩情を往復し、怒りと哀しみに満ちた言葉を紡ぎ出す作家の死を主題とした短篇集〈俺〉は金で仕事を請け負う殺し屋だ。ある町で標的を始末した…
書評 - 『七人の鬼ごっこ』(光文社)杉江 松恋
無邪気な調べの童謡が招く連続殺人――精緻な推理と魔力的世界を融合した快作謎解き小説は、余りの出ない割り算であってもらいたい。不思議な謎が、疑…
書評 - 『銀しゃり』(小学館)杉江 松恋
"握り"登場以前の鮨職人を主人公に寛政の"改革"に揺れる江戸で"誠"を胸に生きる人々の姿を描く『銀しゃり』は、手で…
書評 - 『水の柩』(講談社)杉江 松恋
日常に抗う少女と少年の小さな企て 人の成長と再生を描いた鮮烈な物語天が泣くと書いて天泣(てんきゅう)。晴れた空から降ってくる雨のことをいう…
書評 - 『ペテロの葬列』(文藝春秋)杉江 松恋
年老いたバスジャック犯の要求を手がかりに、巨大犯罪の全容を暴く。人の弱さを描くミステリー『誰か』『名もなき毒』と続く連作で、宮部みゆきは世…
書評 - 『ドールズ 月下天使』(KADOKAWA)杉江 松恋
江戸の天才が少女の体に転生して数々の怪事件の謎を解く――不思議で不気味で愉快な絶品小説世に名探偵は数あれど、月岡怜ほどの個性の持ち主は他にな…
書評 - 『さみしくなったら名前を呼んで』(幻冬舎)杉江 松恋
「まだ何者でもない」けど「まだ諦めたくない」。女の子の焦りと抵抗を逞しく描いた短篇集若さとは、まだ何者でもない、という無名性と、これから何…
書評 - 『貘の檻』(新潮社)杉江 松恋
父が犯した殺人の真相を知る女が、奇妙な死を遂げた。記憶と夢の謎に挑むミステリー伝説の獣である貘は人の夢を食うという。恐い夢を見たら貘に食わ…
書評 - 『銀しゃり』(小学館)杉江 松恋
"握り"登場以前の鮨職人を主人公に、寛政の"改革"に揺れる江戸で"誠"を胸に生きる人々の姿を描く『銀しゃり』は、手…
書評 - 『火を熾す』(スイッチ・パブリッシング)杉江 松恋
東京で肉を焼きながら、遙(はる)か北の大地を想う12月の終わりが近くなると、僕は東京都内のある公園の管理事務所に電話をする。そこでは、園内で…
書評 - 『お伊勢ものがたり 親子三代道中記』(集英社)杉江 松恋
伊勢へ、伊勢へ。誰もが一度は行きたくなる大学生の頃、唐突に伊勢参りに出掛けたことがある。すべてを投げ出して、お伊勢さんへ。江戸時代にもこう…
書評 - 『大きな森の小さな家 ―インガルス一家の物語〈1〉』(福音館書店)杉江 松恋
大きな森の丸太小屋で過ごすのが、僕の夢だった自分だけの秘密基地をつくりたい、といつも思っていた。基地をつくって何をするか。食糧をしまい込む…
書評 - 『聖なる怠け者の冒険』(朝日新聞出版)杉江 松恋
主人公が眠ってばかりで 何か悪い? 全てがあべこべ、夢と現実を行き来する冒険小説小和田君は京都郊外にある某化学企業の研究所に勤める若者である…
書評 - 『ノエル: -a story of stories-』(新潮社)杉江 松恋
ときに孤独を癒し、ときに心の闇を映す。物語がもつ力とその限界を描く三篇道尾秀介の連作中篇集『ノエル』は、人がフィクション=虚構を生み出し続…
書評 - 『ヒトでなし 金剛界の章』(新潮社)杉江 松恋
家族も職も失った男が追いつめられた人々を惹きつけ始める――。世界の本質を抉る長編京極夏彦の小説は絵解に似ている。中世の僧侶が経典の内容を大衆…
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