
1946年生まれ。東京大学文学部教授を経て、現在は東大名誉教授。放送大学名誉教授。『中世のことばと絵』でサントリー学芸賞を、『書物の中世史』で角川源義賞を、共編著『現代語訳吾妻鏡』(吉川弘文館)で毎日出版文化賞を受賞し、近年の著書に『文学で読む日本の歴史』(山川出版社)、『日本の歴史を旅する』(岩波新…もっと読む
- 『天皇の歴史5 天皇と天下人』(講談社)五味 文彦
天下統一の「軸」を見定める刺激の書戦国末期から近世にかけての歴史については、多くが個性の際だった三人の天下人を中心にして描かれてきており、…
書評 - 『日本の食文化史年表』(吉川弘文館)五味 文彦
外来文化と飢饉が変えた「食」の体系をたどる食の文化は時代とともにあり、地域とともにある。したがって食文化の歴史を探ってゆけば、時代がわかり…
書評 - 『小松帯刀』(吉川弘文館)五味 文彦
維新の大局を支えた若き政治家の真実政治の大きな転換期には様々な人間が登場しては消えてゆく。その際、新たな主張を掲げ、その目標に向かって邁進…
書評 - 『日本古典評釈・全注釈叢書 新古今和歌集全注釈 四』(角川学芸出版)五味 文彦
「読人しらず」に「恋の部」の妙を味わう古典の和歌集を読んで楽しむには、『万葉集』『古今集』と並んで『新古今集』があげられるが、『新古今集』…
書評 - 『梨本宮伊都子妃の日記―皇族妃の見た明治・大正・昭和』(小学館)五味 文彦
筆まめとはこのこと日記にもいろいろある。政治家の日記、作家の日記などは、それぞれ政治や文壇の裏話・秘話を載せていて面白く読むことが多い。そ…
書評 - 『足利義満 - 公武に君臨した室町将軍』(中央公論新社)五味 文彦
いかにして室町殿は朝廷に入ったのか室町時代三代将軍の足利義満は、それまで源頼朝によってつくられた鎌倉殿という将軍の型を大きく変えて室町殿の…
書評 - 『世阿弥』(吉川弘文館)五味 文彦
緩急自在に描く日本初の「芸術家」像「初心忘ルベカラズ」の言説で知られる世阿弥の研究は、これまで主に芸能史や国文学の研究者によって担われてき…
書評 - 『昭和天皇独白録』(文藝春秋)五味 文彦
誰のための独白録か昨年(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は1991年)の「文芸春秋」十二月号に載せられて大きな話題をまいた「昭和天皇独白録…
書評 - 『竜安寺の15番目の石―ソ連が日本に学ぶもの』(サイマル出版会)五味 文彦
裸にされた日本&日本人外国人の記した日本社会論とくれば、日本の文化・経済の賛美か、あるいは日本の特殊性を言い立てて驚異と脅威を主張するもの…
書評 - 『西洋中世の男と女―聖性の呪縛の下で』(筑摩書房)五味 文彦
夫婦生活までが教会の管理だった結婚式が最近、私の周囲で続いている。職業柄で招待されることが多いのだが、決まって式場の案内には、○○家と××家の…
書評 - 『国定忠治の時代―読み書きと剣術』(筑摩書房)五味 文彦
仁侠に斬り込む歴史学講談や浪曲、小説のなかで活躍する人物の実像を探るのはいたって難しいものだ。ある固定したイメージから逃れるのが困難なこと…
書評 - 『儒教とは何か 増補版』(中央公論新社)五味 文彦
気宇壮大な入門書最近の日本・韓国・台湾などの驚異的な経済発展を見た外国人研究者は、そこに儒教の影響を考えるようになった(ALL REVIEWS事務局…
書評 - 『母親!』(朝日新聞社)五味 文彦
アメリカの母親のいま母親たちがどんなに多くの悩みをもち、どんな思いをして育児に、仕事に、家庭に関わっているか、アメリカの母親のそのありった…
書評 - 『父の国の母たち―女を軸にナチズムを読む』(時事通信社)五味 文彦
ナチズムになぜ女性も絡めとられたか東西ドイツの統一をひかえて(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は1990年)、世界の眼はドイツに注がれてい…
書評 - 『文化の謎を解く―牛・豚・戦争・魔女』(東京創元社)五味 文彦
タブーを解き明かす大胆な仮説謎解きは、人をハッとさせる鮮やかさ、意外性が物をいう。その謎は、どんなに小さくとも楽しみがあるが、大きければ大…
書評 - 『光る源氏の物語』(中央公論社)五味 文彦
王朝貴族の昼と夜日本人が世界に誇れる長篇小説といわれる「源氏物語」。しかし、日本人のどれだけの人が読んだことがあろうか。かくいう私とて、ほ…
書評 - 『東京裁判論』(大月書店)五味 文彦
こうして決まった被告二十八人もし東京裁判が行われなかったならば、という仮定をしてみると、それがいかに大きな意味をもっていたかがわかるのでは…
書評 - 『草と木が語る日本の中世』(岩波書店)五味 文彦
豊富な事例で示す新たな知見日本の中世においては、草や木にも仏性があるという本覚思想が広がっており、能などの演目にはそれをテーマにしたものが…
書評 - 『地図を作った人びと―古代から観測衛星最前線にいたる地図製作の歴史』(河出書房新社)五味 文彦
新しい世界の発見と創造のドラマさて今度の休みにはどこかに行ってみよう。かたわらにある地図をひろげてみると、地図はまだ見ぬ土地へと誘ってくれ…
書評 - 『江戸絵画の非常識―近世絵画の定説をくつがえす』(敬文舎)五味 文彦
十三の「常識」を越えて生み出された入門編常識は難しい。常識を知らねば、知識不足が指摘されよう。しかし常識に囚(とら)われれば研究は進展しな…
書評