
1946年生まれ。東京大学文学部教授を経て、現在は東大名誉教授。放送大学名誉教授。『中世のことばと絵』でサントリー学芸賞を、『書物の中世史』で角川源義賞を、共編著『現代語訳吾妻鏡』(吉川弘文館)で毎日出版文化賞を受賞し、近年の著書に『文学で読む日本の歴史』(山川出版社)、『日本の歴史を旅する』(岩波新…もっと読む
- 『田沼意次:御不審を蒙ること、身に覚えなし』(ミネルヴァ書房)五味 文彦
慇懃で柔軟な思考もつ時代の寵児田沼意次といえば、江戸時代に賄賂(わいろ)政治を行ったとして、多くの批判を浴びてきた政治家である。しかしそれ…
書評 - 『日本神道史』(吉川弘文館)五味 文彦
公的な神と私的な信仰、二つの方向性神道というと、戦前の強烈な国家神道の記憶があって、なかなか真摯な研究や関心の向かない領域であった。そのた…
書評 - 『選書日本中世史 4 僧侶と海商たちの東シナ海』(講談社)五味 文彦
豊かに跡づける「遣唐使後」のうねり東シナ海をめぐる交流の歴史は、古くは太古にまでさかのぼるのだが、はっきり文献で見えてくるのは、古代の遣唐…
書評 - 『二万年の日本絵画史』(青史出版)五味 文彦
大きな流れの中で「時代の美術」を捉える本書を手に取って思ったのは、次の三つ。一つは縄文・弥生・古墳という時代の絵画がどう捉えられているのだ…
書評 - 『親鸞をよむ』(岩波書店)五味 文彦
祖師の思想に「からだ」で向き合うこのところ、親鸞や道元・日蓮など鎌倉仏教の祖師に多くの関心が注がれており、多くの著作が生まれている。 かつ…
書評 - 『平清盛 福原の夢』(講談社)五味 文彦
「平氏による新王朝」を目指したのか初めての武家政権を形成し、その後の武家政権の基礎を築いた平清盛の生涯はどういうものであったか。それをどの…
書評 - 『被災地の博物館に聞く―東日本大震災と歴史・文化資料』(吉川弘文館)五味 文彦
歴史的資料の救出を通じた地域復興の試み戦火や失火により博物館の被災はこれまでにもあったが、今回の東日本大震災のように津波によって博物館が壊…
書評 - 『天皇たちの和歌』(KADOKAWA/角川学芸出版)五味 文彦
国家から恋まで、王権を広く探る歴代の天皇の和歌を読んでゆけば、そこから天皇の肉声が聞こえてくる、という発想から天皇の和歌をとりあげて探った…
書評 - 『中世世界とは何か』(岩波書店)五味 文彦
鎌倉幕府に似たポスト・ローマ期の「役人王権」中世という時代は近代とは違った面が様々にある。そうであるが故に我々が見失ってしまっている事象が…
書評 - 『河原ノ者・非人・秀吉』(山川出版社)五味 文彦
中世の地名研究から解き明かした「秀吉」の謎本の帯には、「非人の世界に身を置きながら 関白にまで昇りつめた秀吉」「あらゆる史料を熟読し、秀頼…
書評 - 『歴史のなかの大地動乱――奈良・平安の地震と天皇』(岩波書店)五味 文彦
奈良・平安の地震災害から古代政治史に迫る昨年に起きた東日本大震災は、歴史学の研究にも大きな衝撃をあたえた(ALLREVIEWS事務局注:本書評執筆時…
書評 - 『武士はなぜ歌を詠むか 鎌倉将軍から戦国大名まで』(KADOKAWA/角川学芸出版)五味 文彦
政治史と和歌史の懸け橋となる好著和歌を詠む武士といえば、よく知られているのは源実朝や太田道灌あたりであろうか。実朝は和歌を好み、『百人一首…
書評 - 『三國志逍遙』(山川出版社)五味 文彦
鋭くえぐる歴史とゆったり描かれる風景画家と中国文学者とのコラボ企画である。三国志といえば、関羽や張飛などの英雄、孔明などの軍師の活躍がよく…
書評 - 『日本美術史』(放送大学教育振興会)五味 文彦
二つの転換期に着目、個性的な評価もテキストを書くのは難しい。多くの書物は、あるテーマにそって構想を立て、調べてグイグイ書いてゆけば、それで…
書評 - 『北野天神縁起を読む』(吉川弘文館)五味 文彦
なぜ「天神さん」は身近な存在か天神さんで知られる菅原道真を神として祀った神社は、全国で一万二千にもその数が及ぶという。懐かしい童謡の「通り…
書評 - 『兵士であること―動員と従軍の精神史』(朝日新聞社)五味 文彦
一兵卒の視点からとらえた戦争戦争と平和を考える視点は様々にある。総合的に戦争を考察する戦争論、戦争がどのように遂行されたのかを考える戦争政…
書評 - 『気候と人間の歴史・入門 【中世から現代まで】』(藤原書店)五味 文彦
[isbn:4642064095]歴史的事件に気象が与えた影響を探る地球温暖化の問題が大きな現代的課題となっているが、歴史的にこの問題についてどう考えたら…
書評 - 『進化考古学の大冒険』(新潮社)五味 文彦
土器の「美」の変遷から捉え直す人類史考古学への関心は年々高まっている。その高まりは、一つには新たな遺跡・遺物の発見にある。新発見によって歴…
書評 - 『雅楽を聴く――響きの庭への誘い』(岩波書店)五味 文彦
現場から探る新たな芸能の可能性この度の東日本大震災を体験して、すぐに思い起こしたのは、九世紀の貞観(じょうがん)年間に東北地方を中心に起き…
書評 - 『新古今集 後鳥羽院と定家の時代』(KADOKAWA/角川学芸出版)五味 文彦
帝王と歌人が火花を散らした黄金期帝王を中心として和歌の文化が絢爛(けんらん)として花開いた時代。『新古今(和歌)集』の撰集(せんしゅう)さ…
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