小社は1857年(安政4)の創業以来、人類誕生から現在に至るあらゆる分野の歴史・文化にかかわる出版を中心に歩んでまいりました。この間、明治・大正の『古事類苑』、昭和の『新訂増補国史大系』、昭和・平成の『国史大辞典』など、時代を画する叢書・辞典を出版し、また『人物叢書』や『歴史文化ライブラリー』などの定…もっと読む
- 『強い内閣と近代日本: 国策決定の主導権確保へ』(吉川弘文館)関口 哲矢
教訓としたい「強い内閣」の追求「強さ」にあこがれを抱く者は多いだろう。一方で、和を重んじるのが美徳と考える者もいる。「強い内閣」とはこの両…
自著解説 - 『『一遍聖絵』の世界』(吉川弘文館)五味 文彦
鎌倉時代の僧一遍の生涯を描いた国宝「一遍聖絵」。これまでも、様々な分野の専門家がこの絵巻と対峙し、その魅力を引き出してきた。このたび『「一…
自著解説 - 『化粧の日本史: 美意識の移りかわり』(吉川弘文館)高野 ムツオ
女性を抑圧し、解放する西東三鬼に<おそるべき君等の乳房夏来(きた)る>という俳句がある。一読、初夏の街を闊歩(かっぽ)するブラウス姿の…
書評 - 『古代の女性官僚: 女官の出世・結婚・引退』(吉川弘文館)水無田 気流
従来の「女官」のイメージを覆す時代小説やドラマでお馴染(なじみ)の「女官」。絢爛(けんらん)たる宮廷に咲く才色兼備の女性たち・・・・・・と…
書評 - 『江戸のパスポート: 旅の不安はどう解消されたか』(吉川弘文館)野口 武彦
旅人から歴史を見る本書の出発点は江戸時代の旅行難民の実態調査である。いろいろな事情で国を離れ、旅先で辛苦する旅人たちは必ずしも放置されてい…
書評 - 『高山寺の美術: 明恵上人と鳥獣戯画ゆかりの寺』(吉川弘文館)板倉 純平
明恵上人と高山寺の寺宝日本最古の漫画とも称される国宝絵巻「鳥獣人物戯画(鳥獣戯画)」を所蔵する京都・高山寺。明恵上人(1173~1232)が再興し…
書評 - 『大久保利通と東アジア: 国家構想と外交戦略』(吉川弘文館)岩川 拓夫
近代的外交 柔軟に築く大久保利通は西郷隆盛たちとともに「維新三傑」の一人として挙げられる。しかし、彼の業績を簡潔に説明することは難しい。鹿…
書評 - 『ものがたる近世琉球: 喫煙・園芸・豚飼育の考古学』(吉川弘文館)賀数 仁然
人々の生活浮き彫りに本書は、発掘されたモノ、つまり考古学的手法で、近世の琉球諸島を〝モノ語ろう〟という試みです。筆者いわく、近世琉球の「ト…
書評 - 『城割の作法: 一国一城への道程』(吉川弘文館)内田 孝
城で読み解く時代の転換城をめぐる武装解除の歴史が本書のテーマだ。戦国期、勝者と敗者はどう振る舞ったか。権力者は代々、城をどう位置付けたか。…
書評 - 『難民たちの日中戦争: 戦火に奪われた日常』(吉川弘文館)笠原 十九司
欠落してきた側面 初の本格叙述本書は、「従来の日中戦争の叙述ではほとんどかえりみられることのなかった」戦争難民(プロローグ)について、「難…
書評 - 『検証 奈良の古代仏教遺跡: 飛鳥・白鳳寺院の造営と氏族』(吉川弘文館)菱田 哲郎
敗者に寄り添う考古学の醍醐味大和盆地に多くの古代寺院が競うように建立されていた。それらについてわかりやすく遺跡の特徴や建立の背景について解…
書評 - 『イエズス会がみた「日本国王」: 天皇・将軍・信長・秀吉』(吉川弘文館)桐野 作人
天下人を注意深く観察フランシスコ・ザビエルが日本にキリスト教を伝えたのはよく知られている。彼はカトリックのイエズス会という修道会の創立者の…
書評 - 『建物が語る日本の歴史』(吉川弘文館)海野 聡
建物の生きざまのその先に洋の東西を問わず、建造物は権力を視覚化し、権力者の威光を示す装置でもあった。ことに前近代には建物の建設には労働力を…
自著解説 - 『藤原俊成 中世和歌の先導者』(吉川弘文館)大野 順子
中世和歌を学ぶ者たちへ、導きの一冊 ―「和歌史の巨人」藤原俊成の生涯を丹念に辿る―藤原俊成という歌人は、一般には『百人一首』や『新古今和歌集…
書評 - 『甲信越の名城を歩く 新潟編』(吉川弘文館)田中 洋史
郷土の歴史散歩 ぜひ携えて「城山」「天空の城」「真田丸」。城にまつわる言葉は、私たちの身近にある。本書は、新潟県内に所在する59の中世城館跡…
書評 - 『戦国の城の一生: つくる・壊す・蘇る』(吉川弘文館)伊東 潤
気鋭の城郭研究家が探る「生々流転(しょうじょうるてん)」という言葉がある。万物は生まれては変化し移り変わっていく、という意味だ。生き物にも…
書評 - 『図説 日本民俗学』(吉川弘文館)福田 アジオ
民俗を知り、民俗学を理解する日本の民俗学は欧米の民俗学とは大きく異なる。その最大の相違は、欧米の民俗学が語りの民俗学であるのに対して、日本…
自著解説 - 『鶴屋南北』(吉川弘文館)児玉 竜一
江戸歌舞伎の見事な抽出2019年の学術書の賞レースを独走したのは、古井戸秀夫著『評伝 鶴屋南北』(白水社)だった。「東海道四谷怪談」で知られる…
書評 - 『海底に眠る蒙古襲来: 水中考古学の挑戦』(吉川弘文館)片桐 千亜紀
水中考古学への手引き「蒙古襲来」、この言葉を聞いて胸の奥が熱くなるのは私だけではないだろう。「蒙古軍が攻めてくる!」、13世紀後半、鎌倉時代…
書評 - 『沖縄米軍基地全史』(吉川弘文館)豊下 楢彦
沖縄を裏切る政府の実態いかなる歴史を対象とする場合も「全史」を描くことは至難の業であるが、著者は普天間・辺野古問題に象徴されるように今なお…
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