小社は1857年(安政4)の創業以来、人類誕生から現在に至るあらゆる分野の歴史・文化にかかわる出版を中心に歩んでまいりました。この間、明治・大正の『古事類苑』、昭和の『新訂増補国史大系』、昭和・平成の『国史大辞典』など、時代を画する叢書・辞典を出版し、また『人物叢書』や『歴史文化ライブラリー』などの定…もっと読む
- 『顔の考古学: 異形の精神史』(吉川弘文館)松木 武彦
人間関係作る源の歴史探る土偶の顔、埴輪(はにわ)の顔、土器にヘラで刻まれた顔。遺跡から掘り出される品々には、顔を表したものがよくある。顔は…
書評 - 『馬と人の江戸時代』(吉川弘文館)松木 武彦
いななきが聞こえるテレビや映画の時代劇に、馬はごくふつうに出てくる。では、江戸時代の馬はいったいどこで生まれ育ち、どのように役目を与えられ…
書評 - 『徳川家康』(吉川弘文館)藤田 達生
家康の行動を居所を前提に時系列で描く「はしがき」によると、本書は約四二〇〇点にもおよぶ徳川家康の発給文書の博捜をふまえて、彼の生涯を淡々と…
書評 - 『近江商人と出世払い: 出世証文を読み解く』(吉川弘文館)桐野 作人
冷酷に切り捨てぬ寛容さ身内や友人から寸借するとき「出世払いで返すから」と冗談交じりで言い訳することがある。本書は「出世払い」という言葉が、…
書評 - 『中世は核家族だったのか』(吉川弘文館)戸邉 秀明
疫病や災害が夫婦の結合強めた核家族と中世。奇妙な組み合わせに感じるのは、中世の特徴を家(いえ)制度の成立と見る通説が前提にあるからだ。平等…
書評 - 『承久の乱と後鳥羽院』(吉川弘文館)松尾 剛次
「敗者の歴史」真実に迫るよく「歴史とは勝者の歴史だ」といわれる。それは確かに「歴史」の本質の一面を突いている。勝者によって敗者側は断罪され…
書評 - 『平安京はいらなかった: 古代の夢を喰らう中世』(吉川弘文館)春名 徹
住むに不便な未完の都古代の都は、天皇を頂点とする社会(身分)秩序を目に見える形で建造物の形・規模・配置に表現し、その秩序を日々体感させて再…
書評 - 『化粧の日本史: 美意識の移りかわり』(吉川弘文館)山本 芳美
化粧は社会や身体観を如実に映し出す鏡古代から昭和の末期までの化粧文化史がまとめられた本書刊行を、大学生の卒論・修論テーマとして人気のある分…
書評 - 『熊谷直実: 中世武士の生き方』(吉川弘文館)山崎 一昭
中世武士のリアリティ源平合戦を描いた『平家物語』に雄々しく登場し、歌舞伎など伝統芸能の世界でも独特の存在感を放つ東国武士・熊谷直実。一の谷…
書評 - 『戦争孤児たちの戦後史1: 総論編』(吉川弘文館)浅井 春夫
空のベビーカー109台。ウクライナ・リビウ市中心部で撮られた1枚の写真は、戦禍に巻き込まれ亡くなった子どもたちの追悼と抗議の意とともに、弱い者…
前書き - 『列島を翔ける平安武士: 九州・京都・東国』(吉川弘文館)生駒 孝臣
古き中世武士像との決別一所懸命、東国、鎌倉といった言葉から中世の武士を連想する人は多いだろう。京都から遠く離れた先祖伝来の地にしっかりと根…
書評 - 『悪党召し捕りの中世: 鎌倉幕府の治安維持』(吉川弘文館)衣川 仁
武士たちの生態を堪能-皮肉にもタイムリーな内容に-普段、中世という時代をみているせいか現代の世事に疎いという自覚はあるが、そんな評者ですら…
書評 - 『家老の忠義: 大名細川家存続の秘訣』(吉川弘文館)稲葉 継陽
「御家」に尽くした松井父子実力主義に基づく競争と抗争の戦国時代。上洛以来14年間を戦争に明け暮れた織田信長は、ついに宿老明智光秀に暗殺され、…
書評 - 『核軍縮の現代史: 北朝鮮・ウクライナ・イラン』(吉川弘文館)広瀬 訓
核軍縮・不拡散に関する事例を丹念に整理INFとウクライナ問題、北朝鮮の核開発とイランの核疑惑問題を時系列的にまとめる2017年の核兵器禁止条約の…
書評 - 『文覚』(吉川弘文館)山崎 一昭
怪僧「文覚」 その等身大の姿に迫る数々の荒行を完遂し獲得した、飛ぶ鳥をも祈り落とす験力。空海ゆかりの名刹・神護寺の復興を発願し、後白河院(…
書評 - 『山本五十六』(吉川弘文館)影山 好一郎
名提督の戦略的思想を解明日露戦争時の連合艦隊司令長官東郷平八郎と並び、日本人の心にある種の誇りと親しみを感じさせる提督は太平洋戦争時の連合…
書評 - 『大伴旅人』(吉川弘文館)小島 ゆかり
歌に込められた心情から、人間・旅人に迫る専門の研究者が書き、日本歴史学会が編集する「人物叢書(そうしょ)」(新装版)の一冊。「令和」の典拠と…
書評 - 『猫が歩いた近現代―化け猫が家族になるまで』(吉川弘文館)片野 ゆか
嫌われる存在から癒やしに -猫と人の関係を掘り下げ-飼い主の癒やしであり、心の支えでもある猫。しかし、「猫が今の地位を獲得したのは、ごく最…
書評 - 『書物と権力: 中世文化の政治学』(吉川弘文館)櫻井 彦
「古典的公共圏」の成立 ―江戸期以前、書物はどのような役割を果たしたか―プロローグで著者は、出版業が興った江戸期以降現在まで、書物は売買可能…
書評 - 『龍馬暗殺』(吉川弘文館)中村 武生
「薩摩黒幕説」を一刀両断坂本龍馬を殺したのは誰か、という問題設定は歴史ファンにはたまらないらしい。ましてや通説の京都見廻組による「犯行」で…
書評