1956年兵庫県神戸市生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業。同大学院経済学研究科博士課程修了。 東京大学大学院総合文化研究科教授を経て、2018年4月より放送大学教授、東京大学名誉教授。武道家としても知られる。著書に『ケインズとハイエク』『日本経済論』『分断された経済』『経済学の名著30』『消費資本主義のゆく…もっと読む
- 『それをお金で買いますか』(早川書房)松原 隆一郎
驚くべき「市場化」の実態を暴く一昨年の夏、フォークの岡林信康のコンサートに行った時、曲の合間に岡林がこんなことを言った。「僕ら若い頃は『渋…
書評 - 『アメリカ人であるとはどういうことか―歴史的自己省察の試み』(ミネルヴァ書房)松原 隆一郎
民族や宗教の共存への調停意欲が低下9・11同時多発テロからイラク戦争に至るアメリカの外交について、多くのアメリカ論が出版されてきた。それらは…
書評 - 『食の歴史』(プレジデント社)松原 隆一郎
米仏二極化する胃袋の未来音楽・医学から時間・愛・死・地政学・テクノロジー、そして海まで。数え切れないテーマと膨大としか言いようのない知識で…
書評 - 『教養の書』(筑摩書房)松原 隆一郎
愚行を繰り返さないために大学新入生向けに「大学で学ぶ意味」を説く体裁ではあるものの、著者が語っていない位置づけをすると、文科省主導による大…
書評 - 『ケインズとケンブリッジに対抗して (ハイエク全集 第II期)』(春秋社)松原 隆一郎
俗説を打破する経済政策論争の真実「ケインズかハイエクか」という対比を、しばしばマスコミで目にするようになった。もっぱら「大きな政府か小さな…
書評 - 『人口減少社会という希望 コミュニティ経済の生成と地球倫理』(朝日新聞出版)松原 隆一郎
成長という国家目標を根底から見直す意表をついた書名。しかし「人口減少」から人々が反射的に連想する「絶望感」を、本気で希望に転換しようとする…
書評 - 『大学改革の迷走』(筑摩書房)松原 隆一郎
借り物の制度が招いた混迷日本の大学が、ながらく混乱している。世界のトップ100に10大学以上を送り込むはずの「スーパーグローバル大学創成支援事…
書評 - 『マオ―誰も知らなかった毛沢東 上』(講談社)松原 隆一郎
抗日戦の神話も嘘? 議論呼ぶ新説が続々毛沢東が1949年の建国の後に、60年前後の「大躍進」でとてつもない飢饉をもたらし、60年代の「文化大革命」…
書評 - 『プライドの社会学: 自己をデザインする夢』(筑摩書房)松原 隆一郎
根拠を求めて彷徨う心の実像に迫る年末からの株価急騰に多くの日本人が浮かれるのを見て、違和感を持つ人もいるのではないか。それほどまで我々のプ…
書評 - 『売り渡される食の安全』(KADOKAWA)松原 隆一郎
「共」の解体に手を染めた安倍政権十月に署名された日米貿易協定の承認案が衆院本会議で賛成多数で可決、来年一月に発効が見込まれている。米国産の…
書評 - 『MMT現代貨幣理論入門』(東洋経済新報社)松原 隆一郎
「租税が貨幣を動かす」という主張このところ経済学関係ではもっとも話題になった、というか毀誉褒貶にさらされた理論、MMT(Modern Money Theory)…
書評 - 『日本発酵紀行』(D&DEPARTMENT PROJECT)松原 隆一郎
「土地の起源」まで掘り起こす旅地方は独自の歴史と、それゆえの多様性を持つと言われる。けれども現在、多くの地方都市には似たような駅舎と車道沿…
書評 - 『住まいの基本を考える』(新潮社)松原 隆一郎
高性能と意匠、情緒の融合志すポルトガルにある白壁の町並みのような穏やかさとフィンランドの湖のような透明感を湛(たた)える設計で高い人気を誇…
書評 - 『日本の水産資源管理:漁業衰退の真因と復活への道を探る』(慶應義塾大学出版会)松原 隆一郎
水産行政と消費者のモラルに迫る昨年11月、「第一回まぐろミーティング」なる催しが開かれた。マグロ仲卸、大間マグロ漁師・荷主らに混じって、寿司…
書評 - 『社会科学と因果分析: ウェーバーの方法論から知の現在へ』(岩波書店)松原 隆一郎
ウェーバー、百年の誤読固い専門書だ。けれども推理小説のような展開で、滅法(めっぽう)面白い。20世紀初頭に書かれたマックス・ウェーバーの「プ…
書評 - 『拳の近代: 明治・大正・昭和のボクシング』(現代書館)松原 隆一郎
「ローカル化」の視点から描く日本人は外国から学んだ文化を巧みに消化し読み替えると言われる。中国に学んだ漢字からひらがなを生み出したし、米と…
書評 - 『残すべき建築: モダニズム建築は何を求めたのか』(誠文堂新光社)松原 隆一郎
モダニズムの“初心”から解体の無頓着に抗する日常の生活で出会う、ちょっとした風景に愛着を覚えることは、誰もが経験しているだろう。誰かのものか…
書評 - 『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』(文藝春秋)松原 隆一郎
社会を破壊する自由化の論理を突き崩すTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉のテーブルにいよいよ日本が着席した(ALL REVIEWS事務局注:本書評…
書評 - 『神戸 闇市からの復興:占領下にせめぎあう都市空間』(慶應義塾大学出版会)松原 隆一郎
精密かつ大量の調査から描く「闇市」といえば、スクラップ・アンド・ビルドで再開発されたビル群の隙間(すきま)を縫うようにして点在する路地を思…
書評 - 『日本の醜さについて 都市とエゴイズム』(幻冬舎)松原 隆一郎
「日本人論」であることに力点タイトルにある「醜さ」とは街並み・景観のこと。ヨーロッパでは古びた建物をそのまま使い続け、必然的に建築物は街並…
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