1980年東京女子大学文理学部社会学科卒業。食文化や文芸を中心に、書籍・新聞・雑誌などで広く執筆活動を行う。 『買えない味』(筑摩書房 第16回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞)。『野蛮な読書』(集英社 第28回講談社エッセイ賞受賞)。主著に『おいしい日常』『おもたせ暦』『夜中にジャムを煮る』『おとなの味』『焼き…もっと読む
- 『江戸っ子菓子屋のおつまみ噺』(慶應義塾大学出版会)平松 洋子
「家の物語」の集積が文化の奥行き平べったい丸缶を開けると、ころころの三角飴(あめ)。梅ぼ志、抹茶、黒。わたしはこっくりした味の黒飴がいちば…
書評 - 『最終目的地』(新潮社)平松 洋子
人生そのものを肯定するぬくもり空港に着くたび、搭乗案内の電光掲示板をしげしげと眺めてしまう。離陸時刻、搭乗機、目的地が並ぶ無機質な配列。タ…
書評 - 『随時見学可』(みすず書房)平松 洋子
揺らぐ身体感覚で描く聖なる光数日まえのことだ。都電荒川線の「荒川遊園地前」で降り、ぷらぷら歩くと隅田川の土手に出た。護岸壁沿いにまっすぐ遊…
書評 - 『庄内パラディーゾ―アル・ケッチァーノと美味なる男たち』(文藝春秋)平松 洋子
ひと皿の奇跡が生む地方の再生共感するちから。著者のノンフィクション作品を読むたび、この言葉を思い起こす。書き手としての懐のふかさから生まれ…
解説 - 『ナンシー関 原寸大! 生ハンコ集』(ワニブックス)平松 洋子
底なしの好奇心が掘り当てた「真実」ナンシー関さんが遺(のこ)した消しゴムの存在を、時々思うことがあった。彫りに彫った数多(あまた)のハンコ作品…
書評 - 『それでもボクは会議で闘う――ドキュメント刑事司法改革』(岩波書店)平松 洋子
言葉を尽くした“戦闘”の記録息を詰めて本書に没頭した。私たち個人個人が直面する「危機」を感じてのことだ。映画監督である周防さんが刑事裁判の現…
書評 - 『日本初の海外観光旅行―九六日間世界一周』(春風社)平松 洋子
明治の元祖パッケージツアー最近のパッケージツアーの大ヒット商品は弾丸ツアー。0泊4日でサッカー観戦、週末パリ三十三時間滞在……目的完遂のち即刻…
書評 - 『ドキュメント在日本朝鮮人連盟 1945‐1949』(岩波書店)平松 洋子
胸打つ民族運動の熱のたぎりわずか四年間、しかし驚くべき濃密な活動を展開した団体があった。それが一九四五年結成、四九年に強制解散に追いこまれ…
書評 - 『森山大道、写真を語る』(青弓社)平松 洋子
表面擦過する写真⇔踏みこむ言葉440ページを写真125点と活字がみっしり埋めつくす。そういえば、文庫版の写真集『新宿+』『大阪+』はブロックさな…
書評 - 『昨日のように遠い日―少女少年小説選』(文藝春秋)平松 洋子
失ったからこそ出合える影と闇持っているときは気にもかけなかったのに、なくしてしまったら急にだいじになるもの、さてなんでしょう。なぞなぞの答…
書評 - 『カラー版 - スキマの植物の世界』(中央公論新社)平松 洋子
じつは、悠々自適なのかもしれない家を出て仕事場に向かうとき、楽しみにしている道がある。小学校の通学路なのだが、空気がユルくて、あちこちにあ…
書評 - 『幻の黒船カレーを追え』(小学館)平松 洋子
町のそば屋で初めてカレー南蛮に遭遇したときの衝撃は、何十年経(た)っても忘れられない。うどん、そばにもわざわざカレー、でもうまい。日本人の…
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