1980年東京女子大学文理学部社会学科卒業。食文化や文芸を中心に、書籍・新聞・雑誌などで広く執筆活動を行う。 『買えない味』(筑摩書房 第16回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞)。『野蛮な読書』(集英社 第28回講談社エッセイ賞受賞)。主著に『おいしい日常』『おもたせ暦』『夜中にジャムを煮る』『おとなの味』『焼き…もっと読む
- 『卵とパンの組み立て方: 卵サンドの探求と料理・デザートへの応用』(誠文堂新光社)平松 洋子
誰が作ってもきっとうまくゆく卵とパンとの不動の組み合わせゆで卵卵サラダ卵焼きだし巻き卵オムレツスクランブルエッグ目玉焼きポーチドエッグマヨ…
書評 - 『PERSONA最終章』(筑摩書房)平松 洋子
〈観る者〉が観られているような視線の交わりを写しとる「銀ヤンマのような娘」カバー写真の作品につけられたキャプションである。光るサングラス、…
書評 - 『〈女流〉放談――昭和を生きた女性作家たち』(岩波書店)平松 洋子
執拗な問いかけで作家の本音を引き出す1982年2月から約三カ月、日本文学を研究する若いドイツ人女性が日本に滞在した。イルメラ・日地谷=キルシュ…
書評 - 『衣裳術 《新装版》』(リトル・モア)平松 洋子
衣裳をまとう人の魅力を表現に昇華させるスタイリスト北村道子、1949年生まれ。約四十年にわたって映画や広告を中心に活躍する異能の人。そのオリジ…
書評 - 『芙蓉の干城』(集英社)平松 洋子
昭和八年、歌舞伎の背景に人間の情念を探るミステリーチョン、と柝(き)の音。テン、テン、と太鼓の響き。歌舞伎の世界へ招き入れられるなり、めくる…
書評 - 『a day in the life』(風土社)平松 洋子
生きるも滅びるもない場所に棲んでいたのかもしれない今ごろになって、寂しさが押し寄せている。安西水丸さんの急逝は2014年3月、おかしな言い方だ…
書評 - 『最初の悪い男』(新潮社)平松 洋子
ミランダだけが産みだすワンダーに満ちた小宇宙ミランダ・ジュライ初めての長編小説と聞けば、膝を乗り出さずにはいられない。その世界に激しくもっ…
書評 - 『漂流の島: 江戸時代の鳥島漂流民たちを追う』(草思社)平松 洋子
江戸時代、絶海の孤島のなかで命をつないだ男たちがいた探検家、高橋大輔の新作をずっと待ってきた。2005年、アメリカのナショナル・ジオグラフィッ…
書評 - 『一瞬の雲の切れ間に』(ポプラ社)平松 洋子
映画と小説に通底する砂田麻美の視線すばらしい小説に出合ったときは、小説のなかに流れている時間を手放したくなくて、読み終わったあとの時間が長…
書評 - 『TOKYOオリンピック物語』(小学館)平松 洋子
喪失からの回復、晴れやかに敗戦がもたらした焼け野原。失うものはなにもなかった。まるはだかの喪失をこそ回復の原動力に変えてきたのが、わたした…
書評 - 『ではまた、あの世で 回想の水木しげる』(洋泉社)平松 洋子
不在が「存在」を強く感じさせる どこかなつかしいひと会ったこともないのに、とてもなつかしいひとがいる。私にとって、水木しげるはそのうちのひ…
書評 - 『ぼくの道具』(平凡社)平松 洋子
極地で人間を助ける道具とは?テントの出入りのとき、靴の着脱の手間を省いてくれるダウンシューズの項。その機能性を語る、このくだり。人生指南…
書評 - 『建築とは何かー藤森照信の言葉ー』(エクスナレッジ)平松 洋子
過去、現在、未知へ縦断する思索藤森照信の言葉は、建築を語りながら、同時にべつのだいじなことを物語っている。ずっとそう感じてきた。建築の意味…
書評 - 『料理通異聞』(幻冬舎)平松 洋子
たちまち消える儚さに懸ける万物流転。とりわけ料理は、一瞬の輝きを放って消える刹那の命。しかし、その儚(はかな)さに生涯を懸け、江戸中に名を…
書評 - 『世界を食べよう! ―東京外国語大学の世界料理―』(東京外国語大学出版会)平松 洋子
異文化研究者三十人が語る食の多様性なんと贅沢(ぜいたく)な一冊だろう。世界の食文化案内であり、食いしん坊を舌なめずりさせる読み物であり、旅…
書評 - 『朝鮮大学校物語』(KADOKAWA)平松 洋子
80年代、青春の日々。在日コリアンの葛藤を描く日本に生まれ育ったコリアン二世として、自身の存在を投入して作品を生み出してきた映画監督、ヤン …
書評 - 『その道のプロに聞く生きものの持ちかた』(大和書房)平松 洋子
大人も子どもも思わず指が動く虫に遭遇すると、へっぴり腰になる。自分の指を差し出してみたくなるのはてんとう虫かホタルくらい。庭に柑橘(かんき…
書評 - 『プリズン・ブック・クラブ--コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』(紀伊國屋書店)平松 洋子
囚人たちが語り合う読書会。異色のノンフィクション作品男子刑務所での、囚人たちの読書会!? 一瞬、えっと驚く。違和感の正体は何か、よくよく考…
書評 - 『いきもの人生相談室 動物たちに学ぶ47の生き方哲学』(山と渓谷社)平松 洋子
迷っているヒマなんてない 今を生きろ!と檄(げき)が飛ぶ時代がどんなに変わっても、ひとの悩みは尽きまじ。人生相談は煩悩のるつぼ。人生相談欄…
書評 - 『花の百名山』(文藝春秋)平松 洋子
好きだから引き寄せられ、畏れとともに山を登る田中澄江。その名前が不意に目に飛び込んできたとき、ひどくなつかしい気持ちになった。胸の奥のほう…
書評