作家。1967年神奈川生まれ 1990年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。2005年「対岸の彼女」で直木賞。近著に「あなたは私の記憶のなかに」(小学館)など。〈プロフィール写真撮影:三原久明〉もっと読む
- 『突然訪れた天使の日: リチャード・ブローティガン詩集』(思潮社)角田 光代
不思議なことに、会話をするわけでもないのに、私の家の猫はやさしい、ということがわかる。リチャード・ブローティガンという作家も、会ったことも…
書評 - 『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』(朝日新聞出版)角田 光代
事実が着地する「真実」の読了感暴力を振るったわけじゃない。脅すようなことを言った覚えもない。自然だったからだ。だが、自分が感じていることを…
書評 - 『独りでいるより優しくて』(河出書房新社)角田 光代
毒のように作用する過去北京に生まれ、大学卒業後に渡米し、英語で小説を発表し続けている作家イーユン・リーの、新作長編小説である。主要な登場人…
書評 - 『坊っちゃんのそれから』(河出書房新社)角田 光代
時代と人に思い馳せ注意したいのは、タイトルが『続・坊っちゃん』ではないことだ。『坊っちゃんのそれから』で語られるのは、東京に戻った無鉄砲な…
書評 - 『虫娘』(小学館)角田 光代
死の真相に潜む日常の狂気舞台は、東京・中目黒にある瀟洒な洋館。シェアハウスとして使われているこの家には、五人の住人が住んでいる。冒頭で、住…
書評 - 『橋を渡る』(文藝春秋)角田 光代
今はよりよき未来なのか東京都議会で発言していた女性議員に向けて、セクハラと見なされる野次を飛ばした議員がいる。最初の野次の発言者は特定され…
書評 - 『理由のない場所』(河出書房新社)角田 光代
息子を亡くした母の孤独と強さ本書について、作者自身が「小説」であり「フィクション」と言っている、と訳者あとがきに書かれている。けれど、イー…
書評 - 『あとを継ぐひと』(光文社)角田 光代
不可欠でなくても必要なことタイトルそのままに、家業のあとを継ぐ人たちを描いた短編集である。と、タイトルと同様にシンプルに説明することもでき…
書評 - 『文芸誌編集実記』(河出書房新社)角田 光代
文学と対峙し、時代を創った名物編集者まず著者である寺田博氏について説明したい。一九六一年に河出書房新社に入社。倒産によって一時休刊していた…
書評 - 『Red』(中央公論新社)角田 光代
読者自身に人生の答え迫るラストの決断この小説を読みはじめ、最近読んだ新聞記事を思い出した。この一年性交渉がまったくない夫婦の割合が、二〇〇…
書評 - 『恋づくし - 宇野千代伝』(中央公論新社)角田 光代
芯揺るがぬ女性作家九十八歳で亡くなった作家、宇野千代の評伝である。結婚し、北海道に住まう若き作家、千代は、郷里に帰ったついでに東京の出版社…
書評 - 『ちちんぷいぷい』(中央公論新社)角田 光代
自分にとっての生死をただ考えさせる全五十話、一話をひとりずつ、老若男女が一人称で語る。一話はごく短いが、その短い語りのなかに、彼らの人生が…
書評 - 『ヤズディの祈り』(赤々舎)角田 光代
未来をおさめたポートレイト「ヤズディ」とは中東の少数民族で、トルコ、シリア、アルメニア、ドイツなどに分散し、なかでも多くがイラク北西部のシ…
書評 - 『1ミリの後悔もない、はずがない』(新潮社)角田 光代
過去を引きずりながらも人は前に進むここにおさめられた五編の短編小説は、時間も語り手も舞台となる場所も異なるが、それぞれつながっている。だか…
書評 - 『子規の音』(新潮社)角田 光代
生きることを味わい尽くすいのち柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺。私が知っている正岡子規の俳句はこれだけ。つまり、なんにも知らないということだ。な…
書評 - 『神秘大通り』(新潮社)角田 光代
非力な人間の側に立つ小説メキシコのオアハカで、ゴミ捨て場の集落で育ち、捨てられた本から独学で語学をマスターする少年。人の心を読め、兄だけが…
書評 - 『編集ども集まれ!』(双葉社)角田 光代
ささやかな人のありよう青年漫画誌や実用・娯楽書をおもに扱う、J保町にある出版社、青雲社に小笹(こざさ)一夫が入社したのは一九八五年。大学卒…
書評 - 『最初の悪い男』(新潮社)角田 光代
役割こそが恋であり愛であり人生語り手のシェリルは妄想癖のある四十三歳の女性。元は女性向けの護身術教室、現在はフィットネスDVDの販売をするNPO…
書評 - 『タミーを救え! -川の光2』(中央公論新社)角田 光代
動物視線で見分けるうつくしいものこの物語は、チッチとタータというクマネズミの冒険を描いた『川の光』の続編である。とはいえ、前作を読んでいな…
書評 - 『できそこないの世界でおれたちは』(双葉社)角田 光代
「勝ち負け」の代わりの価値観を得る語り手である四十代半ばのシロウは、十数年前親しかった女友だちと再会し、それをきっかけにして、当時つるんで…
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