1927年3月東京に生まれる。東京大学経済学部卒。衆議院議長を務めた父・堤康次郎の秘書を経て、1954年西武百貨店入社。1963年、自ら設立した西友ストアー[現・西友]の社長に、1966年には西武百貨店の社長に就任。その後、クレディセゾン、良品計画、ファミリーマートなど多彩な企業群のセゾングループの代表となる。1991…もっと読む
- 『森が消えるとき』(徳間書店)辻井 喬
高田宏さんは『言葉の海へ』で大佛次郎賞、亀井勝一郎賞、『木に会う』で読売文学賞を受けたエッセイストである。その高田さんの『森が消えるとき』…
書評 - 『犬婿入り』(講談社)辻井 喬
いろいろな可能性を持って出発した新人作家が、どのようにして自らの才能を開花させてゆくか、現代には、そのような一人の作家の成長を見守る、ある…
書評 - 『少年たちの終わらない夜』(河出書房新社)辻井 喬
自由なのではない。制約がすべてなくなった社会のなかで若者達はどこに行ったらいいのか分からない。彼等は若さが持つ嗅覚で、おとな達の嘘を見抜い…
書評 - 『粟津則雄著作集〈第5巻〉文学論』(思潮社)辻井 喬
「文学論」としてまとめられた本巻の作品を、粟津則雄は屢々、自らの体験と重ね合わせて語っている。それは少年の頃、はじめてその作品に触れた時の…
解説 - 『音と文明―音の環境学ことはじめ ―』(岩波書店)辻井 喬
『音と文明』を読んで久し振りに「目から鱗が落ちる」という言葉を思い出した。著者は音の性質、音の環境について疎放としか言いようのない現代文明…
書評 - 『行動する作曲家たち―岩城宏之対談集』(新潮社)辻井 喬
対談は登場した人物の性格と思想によって作られる演劇的空間である。岩城宏之氏と十二人の音楽家の対談集『行動する作曲家たち』(新潮社刊)を読ん…
書評 - 『追悼私記 完全版』(講談社)辻井 喬
小林秀雄から美空ひばりまで、そして中上健次からミシェル・フーコーに及ぶ二十七名の死に際して書かれた文の集成である。著者自身が言っているよう…
書評 - 『現在はどこにあるか』(新潮社)辻井 喬
「マス・イメージ論」以来、吉本隆明は粘り強く、いつも視線を広い領域に放ちながら、現代という、のっぺらぼうで得体の知れない社会を分析し、そこ…
書評 - 『戦争のほんとうの恐さを知る財界人の直言』(新日本出版社)辻井 喬
この本が大きな説得力を持ち、読みはじめると途中でやめられない気持になるのは、ここに書かれていることが著者の体験に裏付けられた本音であるから…
書評 - 『虫たちの越冬戦略―昆虫はどうやって寒さに耐えるか』(北海道大学出版会)辻井 喬
昆虫はどうやって寒さに耐えるか、という副題のついた『虫たちの越冬戦略』という本を読んだ。これは北海道大学の朝比奈英三名誉教授が、長年の冬の…
書評 - 『キッチン』(角川書店)辻井 喬
主人公桜井みかげは孤児である。両親は若死しており、育ててくれていた唯一の肉親の祖母が他界したところから物語ははじまっている。作中人物として…
書評 - 『0をつなぐ』(新潮社)辻井 喬
いつのまにか文学のなかに知らない領域が生まれているように感じることがある。いとうせいこうの『ノーライフキング』、矢作俊彦の『スズキさんの休…
書評 - 『戦争の悲しみ』(めるくまーる)辻井 喬
バオ・ニンが書いた『戦争の悲しみ』(めるくまーる刊)はいい小説だった。これを読むとヴェトナム戦争と呼ばれる戦いがこの国の人にとっていかに長…
書評 - 『優雅で感傷的な日本野球』(河出書房新社)辻井 喬
フランス文学、および演劇学の渡辺守章さんから、表象文化論を専攻する組織の発足にあたってシンポジウムを開くから、と招集がかかった。氏は〈芸術…
書評 - 『真昼へ』(新潮社)辻井 喬
この作品のなかで、時間は通常の時間としての流れ方をしていない。それは、思い惑い、嘆き、夢を見る作者と一体になって、遡行したり渦を巻いたり、…
書評 - 『奇蹟』(河出書房新社)辻井 喬
これは哀しく、絢爛たる気配に満ち、息詰まるようなロマンである。主人公のタイチは、中本の一統七代にわたる仏の因果を背負ってこの世に誕生した。…
書評 - 『睡蓮の長いまどろみ』(文藝春秋)辻井 喬
宮本輝は出発の時から、生まれながらの差によって人が受けなければならない悲しみや苦しみを描いてきた。その描き方は、いかにしてその差をはね返し…
書評 - 『小さな貴婦人』(新潮社)辻井 喬
小説にとって繊細な描写は何のために必要なのだろう。作家によっては、現実(と彼が思いこんでいるもの)のために、やや偏執的な熱心さで描写が続け…
書評 - 『憲法・古典・言葉』(かもがわ出版)辻井 喬
世界的規模における政治、経済、社会の混乱は、従来の分析手法では解明しにくい性格を持っているように思われる。各国で従来権威を持っていた学者・…
書評 - 『小説 大逆事件』(文藝春秋)辻井 喬
明治四十三年の大逆事件で逮捕された被告たちの供述書をこの小説で順を追って読んでいくと、事件が広くかつ緻密な計画によって進められていたかのよ…
書評