町田 康KOU MACHIDA
公式サイト: http://www.machidakou.com/
1962(昭和37)年大阪府生れ。町田町蔵の名で歌手活動を始め、1981年パンクバンド「INU」の『メシ喰うな』でレコードデビュー。俳優としても活躍する。1996(平成8)年、初の小説「くっすん大黒」を発表、同作は翌1997年Bunkamuraドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞した。以降、2000年「きれぎれ」で芥川賞、2001年詩集…もっと読む
苦しみと喜びの決算先日、いつもながらアホーな文章を書いていて不幸な人のことを具体的に描く必要があって、人間の不幸の具体例について考えたのだ…
音と匂いがただ響く携帯電話の説明書を読んで、実際にはまあ言われたからそうしているのだけれども、心の奥底ではどうも得心がいかず、ええっ? そ…
困りのなかを進む今年の一月の一日に、年も明けたことだし心機一転、はりきって仕事をすっかな、ここは一番。と決意して仕事を始め、三日までは精励…
死によって途絶した意志の形自分はいま生きているが、そのうえで、生きているということはどういうことだろうか、と考えてみたところ、あ、なるほど…
犬や猫を飼う人が増えているらしい。しかし犬や猫が大好きだという人でさえ、正しい知識がないがために、結果的に彼らを苦しめていることが多い。心…
馬鹿と利巧がいて、どっちが難しいことを考えているかと言うと、利巧の方が難しいことを考えている。では、馬鹿と利巧のどっちが複雑なことを考えて…
天上しか見ない詩人が地下を見るとき先日、連詩の会、という催しに参加させていただき、詩人の方々と4日間を過ごした。5人で五行詩と三行詩を順番に…
宇宙の始まりはこんなことだったと人間が考えたことが実際に観測してみたらその通りだったとか、人工的に山羊を拵(こしら)えたなんてな話を聞くに…
普段は温厚だが、その人が温厚にしていること自体が不気味で、それがすでにして示威行為であるという印象を周囲に与える池山真人という登場人物が魅…
夢と現が絶え間なく反転昔から、痴人夢を説く、なんてなことを言うように、夢のように辻褄(つじつま)が合わず合理的でない話をするのは愚か者であ…
ぬるい日常の中の危機円滑な人間関係を保持したいので内心ではむかついても表面上は笑って、「ぜんぜんオッケー」と言う。重大な危機が迫っているの…
言葉の"設定"を離れ自由に暴れ回る快楽原発事故がなぜ起きたか、ということについてはいろんな理由があるだろうけれども、そのひとつに関…
「筋が通らない」世界を軽快に読ませる山下澄人先日。ドルチェ&ガッバーナという銘柄のジーンズを穿いて家にいたところ、家の者に注意された。家に…
精神の連続として読む 目からウロコの日本史精神というものは非常に大事なもので精神がないと困ることも多いはずだが、じゃあ、具体的にどう困るの…
犬も人もそれ以外もみんな悲しかったけれども平成十六年に『石牟礼道子全集』が編まれることになって、九月にその記念行事が早稲田で行われた。その…
異常を本来あるべき「本」の姿に戻す方法病気が治ることを本復という。このとき人が本復を強く念願するのは病気なので当たり前なのだけれども、それ…
演奏家が試行錯誤しながら弾くように小説を書きたい演歌というものはズクズクの情ばかりでおもしろみに欠け、またその独特の節も、泥臭くもっさりし…
野間宏の超大作に挫折し手に取った虎の巻昔はそんなことはなかったのだけれども最近は、分厚い本を目の前にすると、その分厚さに怯(ひる)んでしま…
3行読んでは悶絶昏倒 悲惨描く明治文学の凄み先日。神奈川県の鵠沼(くげぬま)というところを通行していたところ突然、恰(あたか)もひだる神に取…
「猫」句集に学ぶ自由気ままな鑑賞法葛籠(つづら)の底から、むかし使っていたハーモニカが出てきた。それでついうかうかと吹奏して途端に噎(む)…