1943(昭和18)年、東京生れ。中央大学法学部卒。1966年博報堂に入社。1980年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。1987年『カディスの赤い星』で直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。1997(平成9)年6月に博報堂を退職、作家業に専念する。他に『百舌シリーズ』『イベリア・…もっと読む
- 『天使のゲーム』(集英社)逢坂 剛
現実と夢 めくるめく幻想世界本書は、著者の前作『風の影』に次ぐ、〈忘れられた本の墓場〉シリーズの、2作目に当たる。舞台は、同じスペインのバル…
書評 - 『修羅の宴』(講談社)逢坂 剛
人生と経済の盛衰を重ねるこれは、第一次オイルショックさなかの1974年から、バブル景気崩壊までの約20年間を疾走する、重厚長大な経済小説である。…
書評 - 『スパイにされた日本人―時の壁をこえて紡ぎなおされた父と娘の絆』(悠書館)逢坂 剛
愛憎と曲折、娘の視点でつづる1920年代、ロンドンに留学中のタキこと、江口孝之は英国女性と結ばれ、娘エドナらの子供に恵まれる。本書は、エドナに…
書評 - 『夜明け遠き街よ』(東京創元社)逢坂 剛
バブルのススキノ、精細に描写高城高は、1990年代半ばに死去した大藪春彦とともに、日本のハードボイルド小説の始祖、と認められている。もっとも、…
書評 - 『微笑む人』(実業之日本社)逢坂 剛
不可解な殺人動機と心の闇エリート銀行員の仁藤俊実は、妻子を水難事故に見せかけて殺害した容疑で、逮捕される。仁藤は、最終的に容疑を認め、その…
書評 - 『凸凹サバンナ』(講談社)逢坂 剛
法律事務所の下町人情ドラマ玖村まゆみは、先般紹介した川瀬七緒とともに、昨年度江戸川乱歩賞を受賞したが、これはその受賞後第一作。主人公の法律…
書評 - 『64(ロクヨン)』(文藝春秋)逢坂 剛
記者と警察、せめぎ合う迫力著者7年ぶりの長編は、期待を裏切らぬ渾身(こんしん)の力作だ。D県警警務部の広報官、三上義信警視は元捜査二課に所属…
書評 - 『天皇の代理人』(角川春樹事務所)逢坂 剛
現代史の事件 独自視点で再構築著者は、ドイツを含む現代史の研究者で、専門の著作もある。そのキャリアを生かして、現代史にまつわる秘話を洗い出…
書評 - 『国を蹴った男』(講談社)逢坂 剛
敗者に焦点、力強い歴史短編集時代小説の中でも、ある程度読者を選ぶ戦国ものの分野に、果敢に挑戦するのが本書の著者、伊東潤だ。すでに一度、『城…
書評 - 『百人一首で読み解く平安時代』(KADOKAWA/角川学芸出版)逢坂 剛
選ばれた理由の分析に説得力百人一首といえば、とかく反射神経を競う早取り競技、という印象が強い。評者も学生時代、それにのめり込んだ口だが、歌…
書評 - 『夫婦の散歩道』(河出書房新社)逢坂 剛
胸に染みこむ淡々とした語り口著者にはすでに、夫君吉村昭の凄絶(せいぜつ)な闘病生活と、それを支えた家族の痛切な記録、『紅梅』がある。これは…
書評 - 『沈黙の町で』(朝日新聞出版)逢坂 剛
緊迫感に満ちた、いじめ真相解明奥田英朗は、もともと引き出しの多い作家で、どれを読んでもおもしろく、失望することがない。 この作品は、一昨年…
書評 - 『銀座並木通り 池波正太郎初期戯曲集』(幻戯書房)逢坂 剛
心に食い込む不思議なリズム最後の文士(とあえていおう)池波正太郎は、すでに死して23年になろうとするが、今もなお広く江湖に読み継がれる、稀有…
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